異なるフロア間の搬送作業自動化支援、ボックス型の懸案克服
野村不動産は3月15日、神奈川県愛川町で三井物産グループの三井物産都市開発と共同で開発したボックス型の物流施設「LOGIBASE(ロジベース)厚木愛川町」をロジビズ・オンラインなどに公開した。
両社が物流施設を共同で開発したのは今回が初めて。垂直搬送機と荷物用エレベーターを各4基配備し、異なるフロア間の搬送作業自動化も両社がデベロッパーとして自らサポート。1階の荷さばきエリアと上層階の連携を最大限円滑化する。
両社が自社ブランドで展開している物流施設の要素のうち、互いに優れているものを採用し合ったという。ボックス型は現在広く建設されているランプウェイ型に比べ、異なる階層間の搬送に負荷が掛かるとの懸念が根強いが、両社は自動化支援などで「LOGIBASE厚木愛川町」はそうした懸案を克服できると見込む。
独自の搬送作業自動化策は別途、ロジビズ・オンラインで詳報する。
「LOGIBASE厚木愛川町」の外観
新施設は地上5階建て(倉庫部分は4階建て)、延床面積は3万7667㎡。愛川町の工業団地内に立地し、1棟全体利用と半棟ずつの利用の両方に対応可能な設計を採用している。
圏央道の相模原愛川ICから約3.5km、国道129号から約1.5km、首都圏環状道路の国道16号から約10km。首都圏に加え、高速道路網を活用して北関東や中部・関西エリアもカバーできる配送拠点として運用可能と見込む。周辺の約5km圏内には大手路線事業者の営業所や支店が9カ所存在している点もメリットと強調している。
両面バースの利用が可能で、2~4階は作業用空調を完備し、原状回復費やメンテナンスコストは不要。いずれの条件も備え、現在入居可能な物件は当該エリアで希少性が非常に高いとみている。環境配慮策として庫内照明への人感センサー採用なども実施している。
また、ECの利用増などで近年ニーズが高まっている危険物倉庫も、第4類対応の約300坪(約1000㎡)のものが敷地内で8月末に完成する予定。
1階のトラックバース
屋根に熱さ対策を施している最上階
1階のバースは両面で計31台が接車可能。パレット積みで垂直搬送機や荷物用EVをフル活用するほか、独自の搬送自動化策を利用すれば庫内スペースの利用効率を最大限上げられると想定している。
このほか、テナント支援策として、営業倉庫申請のサポートや近隣駅との間のシャトルバス運行準備なども用意している。
(藤原秀行)