2019年7月に開始、局長級対話で状況改善と判断
経済産業省は3月16日、半導体材料など3品目を対象とする韓国向け輸出の管理厳格化措置を解除すると発表した。
3品目は半導体の製造に必要なフッ化水素とレジスト(感光剤)、有機ELパネルに用いるフッ化ポリイミド。これまでは外為法の通達に基づき、個別の輸出案件ごとに経産省へ許可を求めることが必要だったが、一定期間分をまとめて申請、許可を得られる対象に戻す。
日韓両政府が3月14~16日の3日間、輸出管理に関する局長級対話を開催し、協議した結果、日本側は韓国当局の輸出管理状況が改善したと判断した。韓国政府は3月16日、日本の輸出管理厳格化措置撤回を求めてWTO(世界貿易機関)に提訴した件について、提訴を取り下げる方針を表明した。
日本政府は2019年7月、韓国側の貿易管理体制が不十分で安全保障上の懸念が払しょくできないとの理由から、3品目を韓国へ輸出する際の許可手続きを厳格化していた。
ちょうど同じタイミングで、日韓両国間で懸案だった「徴用工訴訟問題」で韓国政府が解決策を取りまとめたが、経産省は厳格化措置の解除とは無関係との従来見解を崩していない。
一方、経産省が厳格化と併せて実施した、軍事転用の恐れが低い製品や技術の輸出手続きを簡略化する優遇国「グループA(ホワイト国)」から韓国を除外した件については、日韓間で引き続き対話する。
(藤原秀行)