元国交事務次官の本田氏、人事介入問題で東京メトロ会長退任へ

元国交事務次官の本田氏、人事介入問題で東京メトロ会長退任へ

「多大な迷惑掛けたと深く反省」

政府は5月23日の閣議で、東京地下鉄(東京メトロ)の本田勝会長(70、元国土交通省事務次官)が退任し、後任に東京都副知事などを務めた川澄俊文副会長(67)が昇格する人事を了解した。山村明義社長(65)は続投する。

東京メトロは株式の約53%を政府、残りを東京都が保有している特殊会社。いずれの人事も6月27日開催予定の定時株主総会と取締役会で正式決定し、国土交通大臣の認可を経て就任する。

帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が2004年に民営化、東京メトロが発足して以降、鉄道分野を所管する旧運輸省や国土交通省のOBが代表取締役に就かないのは初めてという。本田氏は2019年6月、会長に就任した。

本田氏は昨年12月、国内主要空港の関連施設賃貸などを手掛けている空港施設の現社長と会長を訪れ、国交省OBの山口勝弘副社長(当時、4月に辞職)を次期社長にするよう要請したことが明らかになっており、民間企業の役員人事への介入と強い批判を浴びている。

斉藤鉄夫国交相は5月23日の閣議後記者会見で、本田氏から空港施設の事案に関し「自らの言動が会社やお客様に多大な迷惑を掛けたことを深く反省していることから、今般の任期満了に伴い退任したいとの申し出があった」ことを明らかにした。

(藤原秀行)

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