ワコーパレット元代表、オリックスの事業投資本部長務める取締役解任を株主提案

ワコーパレット元代表、オリックスの事業投資本部長務める取締役解任を株主提案

「公平な経営判断せず」などと主張、会社側は拒否

オリックスが6月22日に東京都内で開催する予定の定時株主総会に関連し、株主が取締役1人の解任を求める提案をしていることが分かった。

同社が5月24日に公表した株主への招集通知で明らかになった。オリックスは取締役会の意見として反対を表明している。

招集通知によると、提案した株主は、オリックスが2019年に買収したパレットなど物流機器の販売・レンタル大手ワコーパレット(大阪市)の創業者で元代表取締役。解任を要求している相手は入江修二取締役兼専務執行役(事業投資本部長)。

株主は提案理由として、入江氏と約1年半、ワコーパレット代表取締役として共同で事業を遂行してきたが「入江氏は経営状況、現場状況、人員状況等を正確に把握することをせず、事業遂行において公正な経営判断をせず、改善することなく、漫然と業務に携わっていた」と批判。併せて、22年の定時株主総会時に、入江氏に事前質問したが不誠実な回答をしたと主張している。

一方、オリックスは、株主の主張に対し「入江氏は株主の立場で同社の経営を指導しており、指摘は全く根拠のないものと考えます」と否定。昨年の定時株主総会では入江氏に代わって議長が全ての質問に答えたなどと反論している。

その上で「事業投資の分野で豊富な経験と高度な知見を有しており、2014年1月以降、事業投資本部長として、事業拡大と当社の企業価値向上に貢献しております。18年6月の取締役就任後も、当社の経営に対する十分かつ実効性の高い監督等を全うしております。同氏には、引き続き当社の企業価値向上に重要な役割を期待できるため、取締役を解任する理由は皆無と考えます」と明記している。

入江氏はみずほ証券を経て2011年4月にオリックスへ入社した。

(藤原秀行)

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