有望な気候変動対策として期待
日立製作所と商船三井、日本航空(JAL)の3社は8月3日、海水中に溶け込んでいるCO2を直接分離・回収する技術「ダイレクト・オーシャン・キャプチャー」(Direct Ocean Capture、DOC)」を用いた国内初の実証を、沖縄県久米島で実施すると発表した。
3社間で覚書を締結した。
久米島近郊の海でDOC技術の適用性を確認し、国内沿岸で運用を進める上での課題や環境影響に関する基礎データの取得を目指す。
具体的には、久米島の陸上に設置したコンテナ型実証設備に海水を取水してCO2を分離する方式で実施。久米島ではこの取り組み以外にも、海洋温度差発電など立地を生かした最新の実証実験が進められている。
海洋研究に関わる知見や人材が集積しており、国内初となるDOC技術の実証を行う上でも最適な環境とみている。

コンテナ型実証設備の設置イメージと実証場所

3社は実証で得た知見を踏まえ、回収したCO2を地域で活用する方法や、本実証をテーマとしたプロモーションや環境教育など、DOC技術の拡張・活用の可能性を検討し、海洋を起点とした新たな価値創出(ブルーエコノミー)を実現したい考え。
海水は大気中のCO2濃度とバランス(つり合い)が取れるところまで炭素を取り込む性質を持ち、人為的に海水からCO2を抽出して除去すると、そのつり合いが崩れ、海が不足分を補おうとして再び大気中からCO2を吸収するよう促す。
3社などはこの循環を繰り返すことで、海を介して大気中のCO2濃度を効果的に下げられるとみている。海水中のCO2濃度は大気中の約100~150倍と非常に高く、低コスト・低エネルギー消費でCO2回収を実現できる有望な気候変動対策として大きく期待されている。

DOCのイメージ
(藤原秀行)※いずれも3社提供







