株式交換実施へ、事業基盤強化図る
ANAホールディングス(HD)と日本郵船は7月10日、ANAHDが日本郵船傘下で航空貨物輸送を展開している日本貨物航空(NCA)を10月1日付で買収すると発表した。
買収の方針は今年3月に公表済みで、詳細を詰めていた。ANAHDが株式交換により、NCAを完全子会社化する。
NCA1株に対し、ANAHD 0.009815株を割り当てる。ANAHD株は全て自己株式を充当し、新株は発行しない予定。
ANAHDは傘下の全日本空輸(ANA)を中心としたエアライン事業の利益最大化を目指しており、貨物事業も伸ばしたい考えで、NCAをグループに収め同事業の基盤強化を図る。
NCAは10年、日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。日本郵船はANAHDにNCAを売却し、海運事業に経営資源を集中させることを念頭に置いている。
ANAとNCAは18年に業務提携し、貨物便の共同運航(コードシェア)を展開するなど、協力関係があり、NCAのANAHDグループ入りで連携をさらに深める。
(藤原秀行)