ラピュタの自動フォーク、着実に投資対効果得られると自信

ラピュタの自動フォーク、着実に投資対効果得られると自信

事業責任者の有元氏、「マーケット盛り上げたい」と意欲

ラピュタロボティクスで自動フォークリフト(AGF)事業の責任者を務める有元啓祐氏は7月11日、東京都内のオフィスでAGFの新製品「ラピュタ自動フォークリフト」をメディアに公開した際、取材に応じた。

有元氏は、ピッキング支援のAMR(自律移動ロボット)でシェアトップを獲得している技術やノウハウを生かし、AGFでも数年で国内のシェア半数を取得したいとの考えを表明。「まだまだAGFのマーケットは通常のフォークリフトに比べて規模が小さいので盛り上げていきたい」と需要開拓に期待をのぞかせた。

また、AGF導入のネックとなっている巨額な初期投資については、有人のフォークリフトより高額になることは認めた上で「現状の性能でも人件費の抑制により5年で費用対効果が合う現場が多い」と解説。今後さらに性能を高めていくことで、ユーザーがより確実に投資効果を得られるようになると自信を見せた。


有元氏。後ろは「ラピュタ自動フォークリフト」

有元氏は、AGFは三菱ロジスネクストの製品をベースに、ラピュタがセンサーなどの自動化関連設備やソフトウェアを開発したと説明。フォークリフト自体は三菱ロジスネクストの強固なメンテナンスネットワークを、自動化関連設備やソフトウェアはラピュタの顧客対応の経験をそれぞれ生かして顧客対応できると強調した。また、自分の位置把握に用いるセンサーの数を絞り込むなど、コスト抑制に様々な工夫を凝らしていることも紹介した。

同一の現場で複数のAGFが効率的かつ安全に走行できるよう管理する「群制御」の技術を確立しており、シミュレーションでは50台を同時に運用することが可能との結果が出ていることを紹介。将来はピッキング支援のAMR(自律走行ロボット)など他の自動化機器と連動し、庫内作業の自動化をさらに広げていくことも視野に入れていると語った。

現状では屋内の倉庫作業への投入を想定しており、人手不足が深刻化している低温倉庫内の作業については「冷凍倉庫は今のところ考えていない」と説明。常温や冷蔵の倉庫で定点間輸送の利用実績を着実に積み上げていくことを優先するスタンスを明示した。

(藤原秀行)

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