イトーキ、2024年問題対応へ埼玉・草加のプロロジス物流施設と東京・新砂の日通施設にセンター新設

首都圏供給網を再構築、商品配送円滑化図る

イトーキは8月16日、既存の物流拠点「イトーキ東京テクノパーク」（埼玉県川口市）を移転し、新たに「イトーキ東京ロジスティクスセンター」（埼玉県草加市）を同日、「イトーキ東京BASE」（東京都江東区新砂）を11月1日にそれぞれ開設すると発表した。

「イトーキ東京ロジスティクスセンター」はプロロジスが開発した物流施設「プロロジスパーク草加」の4階フロア1万6751㎡を賃借。「イトーキ東京BASE」は日本通運が開発した物流施設「Tokyo C-NX」の8354㎡を利用する。

「イトーキ東京テクノパーク」は首都圏・東日本への配送を担う物流拠点として2004年に開設。約20年にわたって稼働してきた。トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」を踏まえ、「イトーキ東京テクノパーク」の機能を「イトーキ東京ロジスティクスセンター」と「イトーキ東京BASE」に分散、首都圏への供給網を再構築し、従来比で配送効率（トラック稼働率）を1.3倍に高めたい考え。

併せて、効率的かつ快適なオフィス空間をデザインし、従業員の働く環境を向上させる計画。

開設する2拠点のうち一方は東京都内に構え、広範囲の顧客層にアクセスしやすくするとともに、全国にある生産工場からの中継拠点として機能させることで、配送時間の短縮と首都圏への配送効率最大化を狙う。人口の多い東京に拠点を置くことで人材不足の解消も促進する。

併せて、トラック輸送から貨物輸送へ、環境に配慮したモーダルシフトを加速させる。

今回開設する両拠点には、商品の入荷から出荷までを管理する倉庫管理システム（WMS）や、トラックの入荷時間などを管理するバース管理システムを導入。「イトーキ東京ロジスティクスセンター」はパレットラックを多く採用しているほか、上り下り専用のダブルランプウェイによる構内の混雑緩和を図るとともに、雨天作業可能な屋根を構えた中央ランプにより、倉庫稼働率の向上と車両待機時間の削減による効率的な運用を目指す。

「イトーキ東京ロジスティクスセンター」のコンセプトは「Connecting & Communication」に設定。1つの空間で、グループアドレスを採用して緩やかにエリア分けしつつ、空間全体を横断するように広めの通路を設けることでワーカーの移動と出会いを促進。さらに、中央エリアにコミュニケーションの場となる共用のミーティングスペースを設け、部門間や社内外の関係性を構築しやすいレイアウトを導入している。

11月に開設する「イトーキ東京BASE」もイトーキと関係会社の社員がともに快適に働ける事務所を設ける予定。

移転した土地は大雨・洪水リスクの少ない平地で、建物には横揺れに強い免震構造が稼働中。停電時には自動的に電力供給がスタートし、3日間（稼働8時間）の最低電力を維持できる設計を採用するなど、災害発生時のリスクを最小限にとどめられると見込む。

イトーキ東京ロジスティクスセンター　施設概要

イトーキ東京BASE　施設概要

（藤原秀行）※いずれもイトーキ提供