協定締結、関係者の調整や実験成果の情報発信など推進
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県南相馬市は4月10日、同市で整備が進められている先端技術の研究・試験用設備「福島ロボットテストフィールド」(RTF)などを活用し、ロボットやドローン(小型無人機)関連の人材育成で連携すると発表した。
NEDOの石塚博昭理事長と南相馬市の門馬和夫市長が同日、東京都内で協力協定に調印した。ドローンによる物流の実現に弾みが付くかどうかが注目される。
RTFでは既にNEDOや民間企業が共同で、複数のドローンが限られた空域で一度に飛行しても衝突しないよう回避できるシステムの実証実験などを行っている。今後は新たなロボットやドローンの技術開発に取り組む上で、関係者との調整や各種プロジェクトの成果に関する情報発信などを役割分担しながら進める。RTFを活用した人材育成講座を開くことも想定している。
協定調印に際し、石塚理事長は「今日はNEDOと南相馬市の記念すべきスタートの日となる。協定を踏まえて今まで以上に地元の皆さまと協力しつつ、ロボットやドローンの活躍する姿(の実現に向けた施策)を一緒に推進させていきたい」と強調。
門馬市長は「東日本大震災や原発事故で人口が7万1000人から5万5000人まで減り、いまだに6000人が避難している。若い人が減ってしまった。人材育成などソフト面も充実させてRTFを復興に向けた起爆剤としたい。こういう先進的な施設や人たちが集まっていると子供たちに教えることで、希望を持って自分もチャレンジしてみようという気持ちになるのではないか。RTFを名実ともに世界一の施設に育てたい」と強い期待を示した。
協定調印後の記念撮影に応じる石塚理事長(左)と門馬市長
(藤原秀行)