郵船ロジグループが英国で新倉庫に500億円投資、過去最大規模

郵船ロジグループが英国で新倉庫に500億円投資、過去最大規模

物流事業成長狙い、自動化対応も

日本郵船は3月1日、グループの郵船ロジスティクスの英国現地法人Yusen Logistics (UK)(YLUK社)が2月、英国で2025年4月開業予定の大型倉庫を不動産会社のSEGRO(サーゴ)グループから15年間賃借するリース契約を締結することで合意したと発表した。

リースのトータルと新倉庫内の設備投資を含めた投資総額は約2.8億ポンド(約500億円)で、日本郵船グループの物流事業としては過去最大の投資案件という。

新倉庫は英国内物流の要衝となっている中東部のノーサンプトンに位置し、敷地面積は11万㎡で、同社グループの物流施設の中でも最大規模。

日用品や耐久消費財のほか、温度管理した専用スペースで医薬品の取り扱いも可能で、幅広い顧客の要望に対応できると見込む。YLUKは既存顧客へのサービス品質向上と新規顧客の獲得を目指す。

日本郵船グループは2023年3月に発表した中期経営計画で物流事業を中核事業と位置付けており、新倉庫の賃借契約は同年2月にYusen Logistics (Americas) が米物流会社Taylored Services(テイラード・サービシズ)と傘下企業を買収した案件や、今年2月に英国でeコマース向け配送プラットフォーム事業会社を買収した案件に続き、グループの物流事業を強化する狙いがある。

新倉庫は多様な貨物の効率的な管理、取り扱いのために自律走行する搬送ロボットや自動でラックに貨物を出し入れする機能を完備するなど、最先端のシステムを採用し、将来の労働力不足にも備えている。

併せて、屋根に太陽光パネルを設置し、トラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトを進めるため鉄道線を引き込んでいる。英国の建築物の環境性能を評価するBREEAM認証のExcellent評価(6段階で上から2番目)を取得済み。


新倉庫の全景(イメージ)


外観(イメージ)


自律走行搬送ロボット


貨物を自動でラックに搬入する設備


中計の事業方針

(藤原秀行)※いずれも日本郵船提供

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