パナソニック、医薬品向けに最長10日間保冷可能なボックス「VIXELL Pallet」のレンタル開始へ

パナソニック、医薬品向けに最長10日間保冷可能なボックス「VIXELL Pallet」のレンタル開始へ

軽量で航空運賃削減にも貢献可能

パナソニックは3月6日、厳格な温度管理が必要となる医薬品や治験薬などの輸送向けに、真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」を大容量化した「VIXELL Pallet(パレット)」のレンタルサービスを4月1日開始すると発表した。

厳格な温度管理を必要とする医薬品の国際輸送には、一般的に、アクティブタイプと呼ばれる冷却装置を備えた輸送が用いられている。同タイプは電源があれば一定温度を長時間維持できる半面、電源の確保や冷却装置の突然の故障などの温度逸脱トラブルが発生する可能性がある。

対策として、保冷剤を用いたパッシブタイプと呼ばれる輸送容器の採用も増えているが、一般的なパッシブタイプは保冷日数が3~5日間程度と短く、フライトの遅延や通関トラブルなどの理由で輸送日数に変更が生じた場合、貨物を容器から取り出して冷蔵エリアで保管したり、容器内の保冷剤を入れ替えたりする対応が不可欠となる。

VIXELL Palletはパッシブタイプでありながらも高い真空断熱技術を導入。外気温30℃の環境でも2~8℃で10日間保冷できるようにしており、輸送中の温度逸脱リスクの軽減を図ることが可能。パレット一体型のため冷蔵倉庫内での取り回しが容易で、倉庫内で梱包・開梱ができるため、外気に触れる温度逸脱リスクを低減した輸送を実現できると見込む。

一般的なパッシブタイプより軽量のため、航空運賃の削減にも貢献できるとみている。リアルタイムロガーの通信を阻害しない電波透過構造を採用、輸送温度データの遠隔取得に対応している。

今回提供するVIXELL Palletのサービスは、製品レンタルまたはリースに加え、堅牢性を生かし、使い終わったVIXELL Palletを回収・再利用を行う海外輸送向けレンタルサービスも準備している。廃棄物を出さない循環型の仕組みを構築し、サーキュラーエコノミー(循環経済)へ貢献したい考え。

■製品の仕様
外形サイズ:(W)1210 mm x(D)1005 mm x(H)1019 mm
収納サイズ:(W)930 mm x(D)735 mm x(H)608 mm
内容積:416 L
保冷温度帯:2℃~8℃
保冷時間(外気温30℃環境):72時間もしくは240時間
重量:175 kg(72時間モデル)、190 kg(240時間モデル)
提供方法:
製品レンタルまたはリース、国内単回利用(予冷・配送サービス付き)、
海外輸送向けレンタルサービス(容器回収サービス付き、下図参照)

(藤原秀行)※いずれもパナソニック提供

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