三菱食品、ベトナムで輸入食品専門店運営するスタートアップHomefarmに2.9億円出資

三菱食品、ベトナムで輸入食品専門店運営するスタートアップHomefarmに2.9億円出資

本格的に進出、日本産商品の販売拡大図る

三菱食品は4月19日、ベトナムで161店舗(3月末時点)の輸入食品専門小売店を展開するスタートアップHomefarm Holding(ホームファームホールディングス)の第三者割当増資を引き受け、450億ベトナムドン(約2.9億円)を出資したと発表した。

経済成長が続き、食品市場の成長も見込めるベトナムを有望市場と捉えて進出機会を模索しており、ホームファームと連携して同国で事業を広げていきたい考え。

昨年、現地企業を通じてHomefarmと接点ができたのを契機に、お互いのオペレーション視察や創業者CEO(最高経営責任者)のTruong氏と対話を重ね、相互理解と信頼関係を深めてきた。その結果、日本産品の販売先およびベトナム市場開拓のパートナーとしてHomefarmが最適と判断。同社がかねてより店舗拡大を目的に検討していた資金調達の増資を引き受ける形で出資に踏み切った。

Homefarmは主に生鮮サーモンと冷凍牛肉を取り扱っており、関連食材として醤油やわさび、ステーキソースといった調味料、ベトナムで広く親しまれている鍋の素(スープ類)やその具材となる冷凍食品などの販売も手掛ける。30~40㎡の小型店舗を、伝統的に生鮮品が購買される市場(ウエットマーケット)の近接地や住宅街に短期間で機動的にオープンしていく店舗開発能力に強みを持つ。

創業した2017年の年末に10店舗だった店舗数を、3月末までの約6年間でハノイ、ホーチミンを中心に約16倍の161店舗まで伸ばしている。

三菱食品は既に飲料製品や調味料などを輸出し、Homefarmの店頭で販売を開始している。今後は同社の店舗ネットワークを活用し、店頭における日本産食品のテストマーケティングや、新業態のトライアルなどを行う予定。

現地で直接得られる現地消費者の生の声や購買データを分析し、日本食の現地展開や新たな需要を創造するような商品開発、日本の食品メーカーのベトナム進出支援などに取り組む構えだ。

(藤原秀行)

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