空間利用効率向上、現場の省人化図る
大成建設とトーヨーカネツは5月8日、ノルウェーのAutoStore（オートストア）製自動倉庫システムを活用し、生産現場の保管効率化などを図る「T-ロボットストレージ生産システム」を商品化したと発表した。
AutoStoreの自動倉庫システムは立体的に組み上げた格子状のグリッド内にコンテナを格納し、ピッキング機能を備えたロボットがグリッド上部の走行路を移動してコンテナの入出庫を担う。多品種少量荷物の保管・出荷特性に適している。
T-ロボットストレージ生産システムは、生産施設の生産ラインにAutoStoreの自動倉庫システムを適用することで、生産エリア上部空間を有効利用し、空間利用効率向上を実現するとともに、ロボットを用いて原料や仕掛品の保管・搬送を自動化・省人化し生産効率の向上を図ることが可能。
多くの生産施設では各生産工程で使用する部品を必要な時に必要な量だけ供給することで無駄な在庫を抱えないジャストインタイム方式を取り入れており、各工程に必要な原材料の供給や各工程で作られた仕掛品の一時保管と次工程への搬送がタイムリーに行われる必要がある。
しかし、工程が多岐にわたる生産ラインは各工程で生じる時間差などから仕掛品が滞留する場合、生産ライン近くのフロア上や別の倉庫エリアで一時的に保管する必要が発生していた。
従来方法では、運搬・収納に伴う新たな作業負荷の発生や在庫管理の煩雑さなどにより、空間の有効利用や生産効率改善の妨げとなっていた。T-ロボットストレージ生産システムは課題解決にアプローチする新たなシステムと位置付けており、メーン倉庫内の各コンテナに収納・保管された原料や仕掛品を、生産エリア上部に敷設した走行路をロボットが移動しながら搬送し、タイムリーに保管・供給する。
T-ロボットストレージ生産システム（3社提供）
1.原料や仕掛品などを一括保管する「①メイン倉庫」を生産エリア近傍に配置。
2.前後左右に連結されたロボット専用の「②走行路」を生産エリア上部に設置。
3.生産工程毎の「③サブ倉庫」をロボット走行路上の必要な箇所に設置。
4.コンテナを昇降させる「④昇降部」を生産エリア各所に配置。
5.「⑤ロボット」が走行路を前後左右に移動し、コンテナを生産エリア各所に搬送。
（藤原秀行）
