国交省検討会、11型標準パレットの活用提案も
国土交通省は6月20日、既存の道路インフラを活用し、自動で荷物を輸送する「自動物流道路」の実現に向け、必要な機能や克服すべき課題などを議論する有識者らの検討会(座長・羽藤英二東京大学大学院工学系研究科教授)を開催した。
国交省は自動物流道路で輸送する際の、荷物の規格案を提示。パレタイズされた荷物を積載できるようにし、自動荷役を可能にするため、幅1100×奥行き1100×厚さ144~150mmの土台(ベース)を使い、荷物を載せるようにすることを想定している。
また、土台にはフォークリフトの差し込み口を設け、荷物管理用のICタグを取り付けることや、安全性と効率性を考慮し荷物を積む高さは最大1800mm(1.8m)、荷物全体の重さは最大1tにそれぞれ抑えることなどを提案している。1100×1100mmの標準仕様パレットをベースとしてそのまま使えるようにする想定だ。
併せて、かご台車などを土台に載せて、そのまま輸送可能にすることも念頭に置いている。
荷物の規格のイメージ案(国交省資料より引用)
この日の会合では、自動物流道路の姿として、輸送と保管の両機能を統合し、荷物を一定程度溜めておいて需要に応じ順次荷物を送り出せるバッファリング機能を持たせるべきだとの認識でおおむね一致した。物流量を平準化する狙いがある。
国交省は併せて、今夏ごろをめどに策定する議論内容の中間取りまとめの骨子案を提出した。「2024年問題」などの諸課題を考慮し、「政府の強いリーダーシップにより、民間が賛同するインフラの構想を描くことが必要」との見解を示している。
その上で、「持続可能で、賢く、安全な、全く新しいカーボンニュートラル型の物流革新プラットフォーム」をコンセプトに設定。東京~大阪間を念頭に想定ルートのイメージを盛り込むことを予定している。
また、「人的リソースの制約を離れた小口・多頻度輸送」を実現する方向を示している。国交省は次回の会合で、荷物の規格案なども含めて、さらに詰めた内容を提案する見通し。
(藤原秀行)