SGHDや住友商事など、「AI搭載荷積みロボット」の実証実験へ

SGHDや住友商事など、「AI搭載荷積みロボット」の実証実験へ

12月から1年間、米企業と連携し開発目指す

SGホールディングス(HD)と佐川急便、住友商事、米国のユニコーン企業でAIロボティクスソフトウェアの開発などを手掛けるDexterity(デクステリティ)の4社は12月15日、トラックの荷積み作業を自動化するAI搭載ロボットの実証実験を共同で展開すると発表した。

今年12月から1年間の実証実験を経て、早期の実用化を目指す。佐川が今後新設する大規模中継センターなどへの導入を検討する予定。

実証実験は米国のデクステリティの施設で実施。デクステリティ製の既存の荷積みロボットをベースにして、佐川が求める輸送品質や処理速度などの要件に合致するAIを搭載した荷積みロボットの開発を図る。

開発したAI搭載荷積みロボットは、東京都江東区新砂のSGHDグループ大型物流拠点「Xフロンティア」内の中継センターで実際のオペレーションに投入、効果と課題を検証する予定。実証実験のプロジェクト費用は約6億円を見込む。
 
荷積み作業は現状、トラックドライバーや積み込み作業者が荷物のサイズ・形状・重さのほか、送り状の備考欄の記載内容や梱包資材の状態などを瞬時に確認して適切に取り扱っている。重い荷物は下に、軽くて壊れ物が入っていそうな荷物は備考欄を確認して手前に荷積みするなどの細心の注意を払う必要がある。

今後も物流現場の人手不足が大きく改善されることは期待しづらいため、4社でタッグを組み、自動化・省人化を急ぎたい考えだ。人手作業の代替として、トラックの庫内に最適な荷積み作業ができるロボットの開発は、国内物流業界で初めてという。


米国でデクステリティ製ロボットが荷積みする様子(4社提供)

(藤原秀行)

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