運転時の負荷低減効果確認、新人や高齢のドライバーサポート見込む
マクセルは7月29日、昨年8月に開発した「Bright Mirror Display」(BM-Display)を応用し、物流業界の安全性課題解決に向け、物流トラック向けガラス投写型ディスプレイを開発したと発表した。NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)と安全性の定量評価を目的に実証実験を行った。
物流トラック向けBM-Display外観イメージ
実証実験でのBM-Display表示イメージ
マクセルは2021年4月から、乗用車向けのAR-HUD(拡張現実を使ったヘッドディスプレー)を量産している。物流トラック向けBM-Displayは、AR-HUDで培った高効率なバックライト技術をベースに製品の小型化(約0.9L)と高輝度化(1万cd/㎡以上)を実現。これまで搭載できなかったトラック、バス、電車など垂直に近いフロントガラスにも投写できるようにした。
今年5月からマクセルはNXHDと共同で、物流トラック向けBM-Displayを物流トラックに搭載し、運転時の視点の移動量、移動時間、視点範囲などを定量的に評価した。その結果、BM-Displayを搭載することで、搭載しない場合に比べ、視点移動量の低減(約37%)、視点移動時間の短縮(約39%)に効果があり、、BM-Displayの表示位置がカーブ時などを含めた運転中の視点移動範囲にあることから、運転時の負荷低減につながることが分かったという。
今回の定量評価結果を基に、特に新人ドライバーなど不慣れなドライバーや高齢ドライバーの運転をサポートし、雇用の確保、安全性の向上、業務効率の改善など、物流業界の課題解決に向け早期製品化を目指す。
また、バス、電車、重機などにも展開し、商用車全体の安全性向上を図る。
■物流トラック向けBM-Display概要仕様
(藤原秀行)※いずれもマクセル提供