本社ビルから独立、従来比3倍に拡大
山善は8月21日、トータル・ファクトリー・ソリューション支社(TFS支社)が8月22日、協働ロボットトライアル施設「協働ロボットテストラボ」を開所すると発表した。
これまで大阪市内の本社ビル内にあった産業ロボット導入を検討している企業向けのデモンストレーション・試運転が可能な協働ロボットトライアル施設の面積を約3倍に拡張。他府県からもアクセスのしやすい新大阪駅エリアに設置する。
また、世界を代表する協働ロボットメーカーのテックマンロボット(台湾)やファナック、ABB(スイス)が手掛けている7台の最新協働ロボットを常設。個室型のワークテストルームやトレーニングルームを新設する。
ロボットメーカーからシステムインテグレーター(SIer)、ものづくり企業まで幅広い企業に活用してもらえる“共創の場”にしたい考え。
◆施設概要
名称 | 協働ロボットテストラボ |
所在地 | 大阪府大阪市淀川区(新大阪駅徒歩圏内) |
面積 | 308.65㎡ |
設備 | ワークテストルーム(1部屋)、トレーニングルーム(2部屋)、コミュニティスペース |
◆設備について
<ワークテストルーム>
テックマンロボットの動作速度やロボットアームが持ち上げられる可搬重量などを、実機で事前にテストするためのスペース。3Dプリンタを常設し、対象ワークに合わせたハンド用の爪や補助器具を製作することで、実際の作業に近い状態でテストできるよう配慮している。AI機能が搭載されたテックマンロボットを使用した、良・不良品の識別検査のテストも可能。ルーム内には複数台のカメラを設置し、施設への来場が困難な場合でもリモートでワークテストの様子を確認できるようにしている。
<トレーニングルーム>
テックマンロボット導入時の操作トレーニングを実施するスペース。2部屋あり、種類の異なるテックマンロボットを設置している。購入した企業を対象にロボットを安全に、また効率的に使えるよう、実機を用いてトレーニングを実施し、操作方法の習得を後押しする。産業用ロボット・協働ロボットを工場の生産現場などへ導入する場合に受講が義務付けられている「産業用ロボット安全特別教育」を導入企業向けに実施する。
<コミュニティスペース>
常設展示している4台の協働ロボットの操作体験や、大型スクリーンを用いたTFS支社の自動化に関する取り組みを紹介するスペース。ユーザーに加えてロボットメーカー・周辺機器メーカー・SIerが常に集う、情報交換および共創の場となることを目的としている。
◆常設の協働ロボットについて
TECHMAN AI協働ロボットSシリーズ(テックマンロボット)
従来のカメラの標準装備に加え、AI機能も搭載された最新シリーズ。カメラにより専門知識がなくても簡単にプログラミングできる点に加えて、AIが搭載されたことで画像を用いたディープラーニングが可能となり、精密な組み立てだけでなく、部品の種類ごとの選別や傷・汚れなどの不良品検出にも使用可能。
FANUC CRX-10iA(ファナック)
軽く人に触れても停止する安全性、タブレット上のアイコンで教示できる直感的なユーザインタフェースなど、ファナックが長年培った高い技術を兼ね備えたCRXシリーズ。力制御機能を標準で搭載しているのに加え、高い防塵・防水性も備えているので様々な用途に対応できる。自重が軽く、移動式の台車に設置することも可能。5~30kg可搬の商品ラインアップをそろえている。
ABB YuMi(ABB)
可搬重量が片腕500gであるものの、双腕計14軸の動作性能を活かした器用さと柔軟性で、小型部品の組み立てから仕分け、検査といった作業の自動化や協働作業を実現する。
(ABB提供)
ABB GoFa(ABB)
最大可搬重量12kgまで対応し、6つの関節のそれぞれに内蔵されたトルクセンサと素早いフィードバックにより、精密なかん合作業や研磨・バリ取り作業を実現。ロボットの自己位置監視による高い生産性と安全性を両立させ、様々な作業に投入することができる。
(ABB提供)
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用