出光、北海道で燃料輸送時のCO2排出実質ゼロ化へ

出光、北海道で燃料輸送時のCO2排出実質ゼロ化へ

カーボンクレジット活用、全国展開目指す

出光興産は10月10日、物流領域のCO2排出量オフセット(相殺、実質ゼロ化)に向け、北海道でグループの燃料油配送を行う一部運送会社のタンクローリー21台に、「出光カーボンオフセットfuel」を同日初めて導入したと発表した。

「出光カーボンオフセットfuel」は温室効果ガスを減らしたとみなせるカーボンクレジット(排出権)を付与している燃料油。同社は使用することで1カ月に約200tのCO2排出をオフセットできると見込む。

今後は運用面の課題の抽出・改善を図った上で、将来の全国展開に向け、2025年夏ごろまでに北海道の全ての運送会社・タンクローリーに導入することを目指す。


実証の対象ローリー。出光カーボンオフセットfuel」を燃料油配送に導入している(出光興産提供)

同社は昨年7月、「出光カーボンオフセットfuel」を発売。これまで主に工場などで燃料油を使用する顧客の脱炭素への取り組みを支援するため、顧客のサプライチェーンのScope1に該当するCO2排出量のオフセットに焦点を当ててきた。

今回、自社の「燃料油の配送に伴うCO2排出」に対して「出光カーボンオフセットfuel」を初めて活用することにした。今回の導入による効果はScope3のカテゴリー9に相当するという。

同社はこれまで、北海道でバイオディーゼル燃料を混合した軽油「出光バイオディーゼル5」の供給体制の構築、船舶用バイオ混合燃料の実用化に向けた取り組みを進めてきた。

北海道を「出光カーボンオフセットfuel」や低炭素エネルギー・ソリューション導入のモデル地域と位置付け、各製品と取り組みを全国へ広げていくことを視野に入れている。

(藤原秀行)

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