既存の物流オペレーションの経験転用、AIも生かし低コストで展開へ
IT関連のチェンジホールディングスと子会社の東光コンピュータ・サービス(TCS)、エアロネクストと傘下のNEXT DELIVERYの4社は8月12日、共同企業体(JV)を組成し、秋田県が実施する「ドローン等を活用したクマ対策実証事業業務委託」に採択されたと発表した。
秋田県では2025年度にクマが原因の人身被害が全国最多の67人に及び、居住区域の約6割にクマが出没するなど、深刻な状況が続いている。
同事業はNEXT DELIVERYが全国11地域で既に稼働させている物流ドローンの遠隔運航インフラをクマ対策に転用する。
既存のオペレーションをそのまま活用し、遠隔操作は既存運航員が兼務、現地作業も簡易な操作のみのため専任人員・育成が不要なのが特徴。新規投資を最小限に抑えながら数カ月で実装までこぎ着け、早期発見・捕獲支援・侵入抑止を一体的に実証する。
秋田県では、ツキノワグマの出没増加を受け、県民の安全確保や被害防止が喫緊の課題となっていることから、ドローンなどの先端技術を活用した新たな対策手法の実証を公募。TCSは秋田県内に本社を置く情報サービス企業として自治体・公共機関との連携実績を有している。
国が定めた遠隔・自動飛行の安全基準「レベル3.5」を実現し、現地にパイロット不在でも遠隔から自動航行できるドローン運航を1800回以上実施してきたNEXT DELIVERYとエアロネクストのドローン技術知見、チェンジHDの社会実装・政策支援ノウハウを組み合わせ、JVとして対策に乗り出すことにした。
主な事業内容
ドローンを活用したクマ対策技術の実証実験(秋田県内クマ出没地域・里山・市街地など)
⚫ ドローンの遠隔自動航行機能などを活用したクマ出没エリアの巡回監視・早期発見
⚫ 山際部・集落周辺における警戒エリア監視・アラート発信システムの検証
⚫ 平時の物流ドローンインフラとクマ対策の持続可能な「デュアルオペレーション」の検証、ガイドラインなどの策定

ドローンを活用した具体的な対策方法
本実証を通じて蓄積するデータを基に、秋田県全域に加え、クマ対策が必要な全国の自治体に横展開していくことを目指す。
クマ対策を単なる鳥獣被害対策にとどめず、先端技術を活用した地域課題解決モデルとして位置付け、秋田県における新たな産業化・人材誘引の可能性についても検討する。
(藤原秀行)※4社提供








