【現地取材】AZ-COM丸和、埼玉・松伏町でグループ初の自社開発低温拠点を公開

【現地取材】AZ-COM丸和、埼玉・松伏町でグループ初の自社開発低温拠点を公開

8.3万㎡、3温度帯対応で食品物流の成長持続図る

AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は8月21日、埼玉県松伏町の産業団地内に新設した傘下の丸和運輸機関の大型物流拠点「AZ-COM Matsubushi EAST」を報道関係者らに公開した。

地上5階建て、延床面積は8万2530㎡で、AZ-COM丸和グループとして初の自社開発による低温食品物流拠点。今年2月に稼働を始めた。3温度帯の対応が可能で、コールドチェーンの需要を着実に取り込み、グループが注力している食品物流の成長を持続させたい考え。


「AZ-COM Matsubushi EAST」

埼玉県を地盤とする食品スーパーのマミーマートと清掃用品レンタル・外食大手のダスキンが入居しており、マミーマートは埼玉県内への商品配送拠点、ダスキンはミスタードーナツ事業の物流拠点としてそれぞれ利用している。現時点で全体の約8割で既にテナントが利用していたり、入居することが決まったりしており、AZ-COM丸和は2026年中に稼働率を100%まで高めることを目指す。

新拠点は1階に冷蔵庫と常温庫、2階に冷凍庫と冷蔵庫、3~5階に常温庫をそれぞれ設置。多様な食品を受け入れられるようにしている。

このうちマミーマートは1~2階、4~5階を利用しており、1階は冷蔵庫で牛乳やヨーグルトなどを、2階は冷凍・冷蔵庫で生鮮食品などをそれぞれ取り扱っている。冷凍食品などに関しては、まず5度のエリアで店舗別に仕分けし、マイナス25度の冷凍室に移すことで、就労環境が厳しい氷点下に作業スタッフが滞在する時間を最小限にとどめるよう工夫している。

4~5階はお菓子や飲料、加工食品など常温商品を取り扱っている。このうち4階の一角にはカーテンで仕切った低温室を設け、24度以下に抑えることでチョコレートやグミなど温度の影響を受けやすい商品を保管している。


マミーマートの常温商品を保管するエリア(上)。4階の一角には低温室を設けている(下)

ダスキンは3階を利用。関東や長野・新潟エリアの店舗にドーナツなどの原材料を供給している。丸和は配送車両に冷凍対応のものを充てており、冷凍品とドライ・チルドの3温度帯の商品を一度に混載、1台で5~6店舗を効率的に回ることができるよう工夫している。


従業員ら向けのカフェテリア(上)。窓からはAZ-COM丸和HDの本社などが見える(下)

新たな試みとして、グループの労働災害防止と安全・安心な職場環境実現のため、26年度にスタートした「安全道場」を5階に設置。かご台車を搬送する場合に気を付ける点など、庫内作業に特化した安全な作業のポイントを、実物のマテハンなどを使いながらグループでオペレーションを担当する約1000人の従業員に順次指導している。


カートの使い方などを実地で指導する安全道場

また、同じく5階には統合配車室を置き、自社グループのトラックの運行状況をデジタルタコグラフで表示するとともに、天候、高速道路の渋滞状況もリアルタイムで確認できるようにしており、効率的な配車を可能にしている。

今後、センターの業務を管理する専用のシステムを本格的に稼働させるとともに、将来はテナント企業の管理システムと連携できるようにすることを目指す。


統合配車室に設置しているモニター

BCP対応も重視し、免震構造を採用しているほか、トラック2000台分に相当する約30万リットルの燃料を備蓄できるインタンク(自家使用用タンク)を導入。非常用の発電機2基も設け、インタンクから補給される燃料を使うことで約23日間連続運転が可能という。AZ-COM丸和グループが重視している「止めない物流」を体現できるよう工夫している。

このほか、センターで出る使用済み段ボールなどの端材を分別・再資源化する「端材室」を1階に設置し、廃棄物の削減やリサイクルの促進に注力している。


免震装置

「AZ-COM Matsubushi EAST」の隣接地では、約12万1000㎡の大型物流拠点「AZ-COM Matsubushi WEST」の建設を進めており、28年9月の竣工を予定している。マツキヨココカラ&カンパニー向けのセンターとして運用する予定。

現地で会見したAZ-COM丸和HDの藤田勉取締役専務執行役員経営戦略グループ長は「これから売上高3000億円、5000億円、さらに1兆円を目指す企業として、ここに大きな基盤を作る。(埼玉県の八潮市~春日部市を結ぶ)東埼玉道路が開通すればより利便性があるセンターとなる」と意義をアピール。

同社の谷津恭輔事業戦略部長は「当社は単にスペースを埋めるための営業はしていない。これから社会がどう変わっていくのか、どの市場やお客さまが伸びていくのが勉強し、選定させていただいている。そういうお客さまに経営資源を集中して投下している。われわれはセンター運営からラストワンマイルまでを得意としており、輸配送もしっかり提供できるのが強み」と強調。「AZ-COM Matsubushi EAST」を生かした効率的な低温物流サービスを提供し、マミーマートやダスキンの事業成長を支えていく方針を強調した。

(藤原秀行)

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