清涼飲料業界のサプライチェーンで商慣行の見直し・適正化に向けた自主行動宣言を策定

清涼飲料業界のサプライチェーンで商慣行の見直し・適正化に向けた自主行動宣言を策定

業界団体公表、納品期限やリードタイムなど課題解決へ方向性提示

一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)は8月31日、食品・飲料関連のサプライチェーン全体の適正化・生産性向上と食品ロス削減を目指し、清涼飲料業界の商慣行の見直し・適正化に向けた自主行動宣言を策定したと発表した。

2024年のトラックドライバーの時間外労働規制の適用、改正物流効率化法や食料システム法の施行を受け、食品・飲料関連のサプライチェーンの持続可能性確保に向けた対応が食品産業全体に共通する重要な課題となっており、25年5月には公正取引委員会が調査で食品・飲料関連のサプライチェーンの商慣行で生じる食ロスが環境面に加え、適正な資源配分が行われず市場経済にも悪影響を及ぼしていると指摘した。

全清飲は現下の状況を踏まえ、特定の取引慣行や取引当事者を問題視するものではなく、関係者がそれぞれの立場から課題解決に取り組むための共通の方向性を示すものとして、自主行動宣言の策定に踏み切った。

清涼飲料業界として、製・配・販をはじめとする関係者との建設的な対話を通じ、持続可能なサプライチェーンの実現と食品ロス削減を一体的に推進することを目指す。

自主行動宣言は、関係法令(独占禁止法、物流総合効率化法、食料システム法など)の趣旨を踏まえた自主的取組として実施する。

商慣行の見直しは製造、卸売、小売、物流などの関係者が相互に理解を深めながら協働して進めるべき課題と指摘。

自主行動宣言は特定の取引条件の一律変更を求めるものではなく、商品特性、流通実態、物流現場の状況などを踏まえ、合理的かつ持続可能な取引・物流の在り方を関係者間で協議していくための方向性を示すものと位置付けている。

全清飲は、会員企業各社の自主的判断と競争関係を尊重し、各社の競争領域には関与しないと明言。また、「個別の価格、取引条件、取引先との交渉方針などについて、全清飲が調整、決定、誘導するものではない」と強調している。

各会員企業が取引当事者間で相互理解を深めながら、合理的な運用のあり方を検討していくことが重要な点として、以下を例示している。

①納品期限・リードタイムに関する事項
(3分の1ルールによる)納品期限の設定や短いリードタイムへの対応について、商品特性や販売計画、物流体制を踏まえ、計画的な発注・納品に資する運用のあり方を検討すること

②納品順序・日付管理に関する事項
日付逆転品や日付混合品の取扱いについて、品質確保を前提としながら、在庫効率や廃棄削減にも資する柔軟な運用の可能性を検討すること

③欠品時の対応に関する事項
欠品時の対応や負担のあり方について、不可抗力や物流事情等も踏まえ、取引当事者間で合理的な協議が行われること

重点取り組みとして、以下の事項を挙げている。全清飲が共通の方向性を示すものであり、具体的な取引や運用の見直しは、各会員企業がそれぞれの判断と責任において、取引当事者間の協議を通じて自主的に実施すると解説している。

①納品期限・リードタイムの見直しに向けた対話の促進
各会員企業は、納品期限設定の合理性について、取引当事者間での相互理解を深めるための対話を行う。短いリードタイムによる物流負荷の軽減に向け、計画的な発注・納品のあり方について、取引当事者間で協議する。商品特性(賞味期限など)や流通実態を踏まえ、柔軟な運用の可能性について、取引当事者間で検討する

②納品ルール(順序・日付)に関する合理的運用の検討
各会員企業は、日付逆転・日付混合に関する運用について、品質確保を前提に、取引当事者間で合理的な取扱いのあり方を協議する。在庫効率の向上や廃棄削減の観点から、必要に応じて取引当事者間で実証的な取り組みの可能性を検討する。

③欠品発生時の対応ルールや負担のあり方に関する協議
各会員企業は、欠品発生時の対応ルールや負担のあり方について、取引当事者間で合理的な範囲での見直しを検討する。不可抗力要因、物流事情その他の合理的事情を踏まえ、取引当事者間で適切な協議を行う。

④取引慣行の透明化と相互理解の促進
各会員企業は、商慣行の内容や条件について、取引当事者間での事前協議や相互理解の促進に努め、関係者が安心して取引や物流が継続できるよう、取引内容の書面化や合意形成のあり方などについて、必要に応じて協議する。

(藤原秀行)

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