ロボットを自律制御、未知の商品・仕分け先でも成功率97%を達成
JDSCは9月8日、ダイフクと共同でAIエージェントが人からの指示や周囲の状況を理解し、ロボットの動作を自律的に計画・実行するフィジカルAI技術を検証したと発表した。
この取り組みはダイフクが目指している、物流現場の完全無人化達成を見据えて実施した。シミュレーション環境下では、学習していない商品と仕分け先の組み合わせで成功率97%を達成することができたという。
この取り組みは、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)が実施する「フィジカルAI開発支援プログラム by AWSジャパン」の採択プロジェクトとして進めた。今年8月31日にAWSジャパンが開催した同プログラムの記者向け成果発表会で公表済み。

JDSCとダイフクは戦略的パートナーシップを結び、ダイフクが持つマテリアルハンドリングに関する豊富な知見・製品・ソリューションと、JDSCが持つAI・データサイエンス、データエンジニアリングなどの知見を組み合わせ、AIエージェント、デジタルツイン、先進ロボティクスなどを活用した革新的なマテリアルハンドリングシステムの開発に取り組んでいる。
今回の施策もその一環。現場の状況に応じて装置が自律的に判断・行動できる仕組みの実現を図った。
物流工程のうち人手の介在が残るピッキング・仕分けを対象に、作業者が自然言語で指示すると、AIエージェントが指示内容と周囲の状況を踏まえて作業をロボットが実行可能な単位に分解し、自律的に制御するアーキテクチャを構築。事前登録していない作業にも対応できることを目指している。

評価に際しては、 AWSのフィジカルAI専門チームによる技術支援を得ながら、 Amazon SageMakerをはじめとするAWSのサービス群を活用し、AIモデルの学習からシミュレーション環境での検証までのサイクルを高速に繰り返せる開発基盤を組み立てた。
その結果、アーキテクチャの構築から評価まで約4カ月の短期間で実現したという。
ユーザー指示に対して柔軟に対応することができるかどうかを明らかにするために、物流における仕分けタスクをシミュレーション環境で検証し、学習していない商品と仕分け先の組み合わせで100回試行した結果、このうち97回で適切な仕分けに成功した。
両社は現場の変化に柔軟に追従できるフィジカルAIシステムの実現に向けた成果とみており、今後は実環境で実証を進めることで、立ち上げ期間の短縮や品目変更への対応力向上につながることが期待できると見込む。

JDSCは今後、ダイフクとの共同開発をさらに進め、シミュレーション環境で得た成果を実際の物流・生産現場につなげていくことを念頭に置いている。
フィジカルAIによって、装置が自ら作業を組み立てて実行できる仕組みを実装し、物流オペレーション全体の高度化を目指すとともに、物流・製造をはじめとする基幹産業の変革を加速させていきたい考え。
(藤原秀行)※いずれもJDSCとダイフクの両社提供









