三菱重工機械システム、AIによる段ボールシートの反り制御装置を世界で初めて実用化

三菱重工機械システム、AIによる段ボールシートの反り制御装置を世界で初めて実用化

最適な機械設定を予測可能、国内外で本格販売開始

三菱重工業グループの三菱重工機械システム(MHI-MS)は10月29日、段ボールシートの表裏の水分率の差から生じるシートの反りを、AIの予測モデルで制御する装置を世界で初めて開発、実用化したと発表した。

本装置は、MHI-MS製のコルゲートマシン(段ボールシートの製造機)に適用可能。MHI-MSは今後、国内外で本格的に本装置を販売していく構えだ。



本装置は、コルゲートマシンに付属する電気制御装置として開発した。段ボールシートの反り・温度・水分率を計測する各種センサー、AIを搭載したコンピューター、機械制御装置などから成る。

通常、コルゲートマシンで段ボールシートを製造する際は、ライナーと呼ばれる表裏のシートと、中芯(なかしん)と呼ばれる波形に加工されたシートの計3枚を糊で貼り付け、高温で乾燥させている。

多くの種類の紙に対し、標準の機械設定だけでは反りが発生しやすいため、熟練オペレーターの経験と勘に基づき、紙種ごとに機械を調整する必要がある。


コルゲートマシン

しかし近年は、熟練オペレーターの引退や人手不足により、技術の継承が課題となっている。

また、近年は国内市場で段ボール箱の多品種・小ロット化のニーズが拡大。従来の反り制御装置では対応が追いつかず、時間の経過とともに反りが変化するといった問題が発生している。反った段ボールシートは、箱の形に組み立てる製函機(せいかんき)の中で詰まりやすく、段ボールの品質不良や生産性の低下を招く恐れがある。



こうした状況に対し、MHI-MSは今般、三菱重工業の総合研究所が保有しているAI技術を反り制御装置に搭載。紙種ごとにライナーの水分量、温度、反り量のデータを常時、自動で蓄積し、機械の適切な設定をAIに学習させることで、反りが発生しない最適な機械の設定を、紙種ごとにAIが予測する仕組みを作り出した。

MHI-MSは本装置の導入によって、ロットの最初から反りのない製品の生産が可能になったと説明。段ボール箱の多品種・小ロット生産にも対応できると見込む。

MHI-MSは、コルゲートマシンの初号機を1956年に納入して以降、国内外に300台以上を納め、物流の基盤を支えてきた。三菱重工グループが培ってきた高い技術力とのシナジーを拡大することで、今後も国内外の市場ニーズに応え、高性能な製品の開発に継続して取り組む。

(藤原秀行)※いずれもMHI-MS提供

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