【独自取材】「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」

【独自取材】「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」

日本GLP・帖佐社長独占インタビュー(後編②)

◎日本GLP・帖佐社長独占インタビュー

「先進的施設を物流の存在意義伝えるメディアとして活用」(前編①)

「アルファリンクのコンセプトはより進化・成長させる」(前編②)

「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」(後編①)

「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」(後編②)


インタビューに応じる帖佐社長※クリックで拡大

――御社と子会社で物流不動産向けの新技術開発を手掛けているモノフルが昨年11月、トランコムと業務提携し求貨求車サービスを拡充する方針を発表しました。協力関係はどの程度進捗していますか。
「提携の件もお客さまの反応が良くて、サービスには非常に多くの引き合いが寄せられています。実際、獲得できている契約の件数は非常に多いし、物流施設を決めるペースで考えたら、驚くほどいろんなところから契約をいただいています。当社のような不動産会社とトランコムさんのような運送会社が手を組むメリットがすごく出せたのかなと思います」

――提携したいという思いはかなり前からあったのでしょうか。
「モノフルのサービスをいろいろと作り上げていこうという中で、やはり求貨求車は皆さんお困りのところでしたから、そこに当社が何かサービスを生み出すことができたらいいなとはかねて思っていました。その前からお客さまとしてトランコムさんとお付き合いはあり、既にかなり濃い関係を構築できていましたから、トランコムさんのような求貨求車サービスを展開されている会社がいいねと考えてお話をご提案し、トランコムさんもすぐに面白いねと言ってくださったところから、話がスタートしています」

――求貨求車サービスは御社の物流施設と連携する形で拡大していきますか。
「われわれのサービスをお客さまご自身のセンターの中で使っていただくか、当社の物流施設で使用していただくかはお客さまに決めていただくことです。モノフルは当社の施設の中だけで提供するサービスではありません。われわれとしてはモノフルの事業を日本GLPの物流施設に付随するサービスではなく、全く別個のものとして独立させていきたいと思っているので、日本GLPの庫内サービスに限定させてしまったらモノフル成長を頭打ちすることになってしまいます。当社の施設限定にすることは全然考えていませんし、無意味だと思いますのでそこは対象を広げていきたい」

――今後モノフルでどのような新たなことに取り組んでいきますか。
「まだまだ物流を取り巻くサービスはたくさんあると思います。当社はモノフルを通じて、テクノロジー系のベンチャー企業5~6社に出資しています。そうした形でのサービス展開もあるでしょう。庫内のオートメーションや無人化の分野においては、われわれができることは無数にあるのではないか。それをどこまでモノフルで拾っていくかということですから、そういう意味では成長の可能性はものすごくあるでしょうね」


19年11月の提携発表会見後、撮影に応じる(左から)トランコム・恒川穣社長、日本GLP・帖佐社長、モノフル・藤岡洋介社長※クリックで拡大

同業他社M&A「機会があればぜひ前向きに」

――配車に限定せず、物流施設に関わる領域全般が対象になりますか。
「当社としては、庫内のオペレーションをするつもりは全くありません。それはお客さまの事業領域だと思っていますから。しかし、お客さまの事業領域がより良くなる、より生産性や効率が良くなる、よりサービスレベルが上がるためのお手伝いはどんどんしていきたい。床を貸すだけじゃなくて、そちらのサービスも提供していきたい」

――物流業務のコンサルティング的な取り組みは?
「コンサルティングは既に展開しています。われわれの営業活動はほとんどコンサルティングのようなものです。モノフルはそこからソリューションとプロダクトも提供できる体制という意味ですね」

――昨年11月に三井物産と物流施設の庫内作業自動化支援を手掛けるためのロボットサービスを担う新会社「プラスオートメーション」を設立、ロボット提供を本格的に開始すると発表しました。その後の進展はいかがですか。
「物流ロボットはどんどん契約を獲得できています。アパレル業界向きのロボットなのですが、非常に性能が良く、大手のアパレル企業や高級ブランドの会社とも契約することができました。利用いただけるお客さまはもっと増えていくと思います。物産さんがお持ちの幅広い顧客ネットワークやインフラが非常にわれわれにとって、戦略的にプラスになると思っていますので、これからも物産さんとロボット活用の領域を広げていきたいですね」。

――これだけ物流施設開発市場が大規模になり、プレーヤーも増える中、今後同業他社をM&Aする可能性はありますか。
「現実的に見てM&Aがしやすい環境かというと、物流施設開発を単独で手掛けている企業は多くないなど、日本はかなりハードルが高い国だと思いますが、可能性があるかどうかと問われれば、機会があればぜひ前向きに考えていきたいですね。仮に機会があったときにわれわれが提供できる企業価値向上はものすごく大きいと思います。M&Aとは別に、他社が開発した物件の取得に関しても既に経験を重ねていますし、今後も可能性は十分あります」


プラスオートメーションが提供するソーティングロボットシステム「t-sort」(同社提供)※クリックで拡大

「先進的施設を物流の存在意義伝えるメディアとして活用」(前編①)

「アルファリンクのコンセプトはより進化・成長させる」(前編②)

「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」(後編①)

「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」(後編②)

(藤原秀行)

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