デカルト・データマイン調査、韓国やベトナムなど伸長
米調査機関デカルト・データマインが5月12日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、4月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比6.5%増の175万8138TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
4月としての過去最高を更新し、22カ月続けて前年実績を超えた。
貿易量の約6割を占めて断トツでトップの中国は新型コロナウイルスの感染拡大で上海のロックダウン(都市封鎖)が続き、港湾作業も影響を受けているが、4月は3.7%増の102万2669TEUとなり、22カ月ぶりに前年水準を割り込んだ(2.4%減)3月から再びプラス基調へ転じた。韓国やベトナムなども好調だった。
ロシアによるウクライナ侵攻で世界的にインフレ傾向が強まるなど、経済が世界的に混乱する中、今後も貨物取り扱いが伸びるかどうかは予断を許さない。
中国以外の4月の実績を見ると、取扱量2位の韓国は20.4%増の18万4887TEU、3位のベトナムは23.8%増の16万1133TEUと揃って2割増を記録、全体の伸びを牽引した。
プラスとなったのはトータルで8カ国・地域だった。しかし、日本は33.9%減の2万9577TEUにとどまり、最下位に転落した。
4月の主要品目別実績は、トップの家具類が1.2%増、2位の機械類が3.4%増、3位のプラスチックが8.6%増など、上位10位は繊維製品を除いてプラス基調が継続した。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の3月分は16.7%減の47万1002TEUで、10カ月連続のマイナスを記録。中国向けは17.1%減の13万1943TEU、日本向けは14.%減の5万9357TEUにとどまった。前年水準を下回ったのはインドを除く9カ国・地域で、このうち8カ国・地域が2桁減だった。
(藤原秀行)