ダイヘンと関電ソリューション、配送用EV向け自動充電システムの受注開始

ダイヘンと関電ソリューション、配送用EV向け自動充電システムの受注開始

「電欠」防ぎ、料金最小化や管理業務効率化もカバー

変圧器大手のダイヘンと関電エネルギーソリューション(Kenes)は2月17日、配送用EV(電気自動車)向け自動充電システム「ぴたっとCharge」を共同で開発したと発表した。

「デマンド目標値自動設定機能」「充電電力自動調整機能」「充電状況監視機能」を搭載する普通充電器・急速充電器を併用可能とした自動充電システム。国内では初めてという。

EVの充電を最適化し充電切れ(電欠)を防止するのに加え、電気料金最小化や管理業務効率化もカバーし、運送業界における配送用EV運用上の様々な課題解決を後押しする。1月に受注を開始した。

配送用EVは業務中に電欠を発生させないことが最も強く求められるため、1日の配送に必要な充電量を、車両を使用しない時間帯に確保する必要がある。しかし、業務の特性上、充電が夜間に集中するため、全てのEVを満充電にできなかったり、電力ピーク(最大デマンド)発生による電気料金の増加・受電設備増強にかかるコストアップが課題となる。

また、充電プラグの挿し忘れや昼間に急遽充電が必要となる場合の対応など、EVによる配送は運用面で様々な課題を抱えている。

両社はデマンド目標値の自動設定に基づき、充電量を最適にコントロールすることで、1日の配送に必要な充電量の確保と充電コストの最小化を両立できるシステムの開発にこぎ着けた。

新システムは日々の充電実績を蓄積・学習し、最適なデマンド目標値を自動設定するAI機能を搭載。充電器に接続されたEVの台数や充電に要する時間などに応じて出力を調整、翌朝配送が開始されるまでに全てのEVを満充電にできる。

また、ダイヘン独自の自律分散協調制御技術「Synergy Link」により、各充電器が充電量を自律的に制御し電力ピークを抑制、電気料金(契約電力)の増加や受電設備増強にかかるコストアップの課題を解決できると見込む。

さらに、「充電状況監視モニター」により充電プラグ挿し忘れ防止をはじめとする各種管理業務の効率化を図ることが可能。急速充電器を制御対象に含めることができるため、急遽充電が必要となった場合も運送に支障を来さないという。

(藤原秀行)

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