プロに見せたい物流拠点(特別編)アンテポスト

プロに見せたい物流拠点(特別編)アンテポスト

オンラインクレーンゲームの景品在庫・入出荷担う、千葉・流山の日本GLP大型施設を有効活用

未曾有の人手不足をはじめ課題山積の物流業界でピンチをチャンスに変えようと、省力化や生産性向上などに果敢に取り組む物流施設を紹介するロジビズ・オンライン独自リポート。今回はオンラインのクレーンゲーム「クラウドキャッチャー」を手掛けているアンテポストが千葉県流山市の物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)流山8」に構えている物流拠点に焦点を当てる。

日本GLPが同市で展開してきた、特定エリアに大型物流施設を集中的に開発するプロジェクト「ALFALINK」が完成したのに合わせて、7月4日に現地でメディア向けの内覧会を開催、その際にアンテポストの物流拠点もお披露目した。

オンラインのクレーンゲームというユニークなビジネスを支えるため、広大な面積を誇りオペレーションのしやすさにも配慮したALFALINKブランドの物流施設が備える機能を最大限活用。多数の景品の入出荷と在庫をこなし、伸び盛りの事業を支えている。


「GLP ALFALINK流山8」の外観。アンテポストの拠点は3階に入居している(日本GLP提供)

キャラクターグッズなど10万個を在庫

アンテポストは2010年に創業し、オンラインのクレーンゲームは15年に提供を開始した。ゲームセンターなどに置かれているクレーンゲームをそのままオンラインで再現しており、スマートフォンのアプリやPCのウェブブラウザからクレーンを遠隔操作して欲しいキャラクターのぬいぐるみやフィギュアなどをつかむ。

クラウドキャッチャーのクレーンは「流山8」の拠点内に340ブース分を設置。オンラインのクレーンゲーム参加者が遠隔操作でゲットした景品をまとめ、毎日配送している。景品の配送などは大手宅配事業者に委託している。


拠点内に並ぶオンラインクレーンゲームの装置。人気キャラクターのグッズなどを多数扱っている

新型コロナウイルスの感染拡大による“巣ごもり”消費拡大を追い風にゲーム利用を増やし、オンラインのクレーンゲームでは国内大手の一角を占めるほどの事業規模に成長した。当初は東京都江東区葛西に約200坪(約660㎡)の拠点を置いていたが、事業成長を受けて2021年10月、「流山8」に移転した。

現在の拠点は約800坪(約2640㎡)のフロア内に約7000SKU、10万個規模の景品を在庫しており、ゲーム参加者が獲得した景品を1個ずつではなく、数をまとめて配送することで効率化を図っている。ゲーム参加者には1~2日のリードタイムで景品が届けられているという。


多数の景品が並ぶ


出荷作業

商品数が積み重なり、今後も伸びが見込まれるため、今年8月にやはりALFALINKプロジェクトの一環としてこのほど竣工した近隣の「GLP ALFALINK流山4」に拡張移転する準備を進めている。移転先は床面積が約2000坪(約6600㎡)と現状の2倍超になる予定で、取り扱う景品も1万SKUに達するとみている。

「流山4」への移転は、ワンフロアが広大なためアンテポストとしても商品が増えても引き続き1カ所でまとめて在庫や入出荷が可能な点を重視して決定。労働力確保の容易さなども考慮した。

他にも、庫内作業の効率化のため、自社で独自のハンディターミナルを開発するなどの取り組みを進めているという。アンテポストの佐々木智史取締役COO(最高執行責任者)は「物流の業務に関してはこれからもいろいろと自社内で工夫していきたい。ALFALINKにも期待している」との思いを語った。

(藤原秀行)

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