JR東が上越新幹線使い車両基地間の荷物多量輸送トライアル実施へ、日通やヤマトなども協力

JR東が上越新幹線使い車両基地間の荷物多量輸送トライアル実施へ、日通やヤマトなども協力

上下線で800箱程度積み込み、事業化へ検証

JR東日本とJR東日本物流は8月9日、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送を実現して2024年問題やCO2排出量削減、地方創生など社会的な課題解決の一助を担うため、今年度2回目となるトライアルを8月31日に実施すると発表した。

6月に実施した1回目のトライアルでは旅客営業列車を使用した。今回は初めて、臨時列車に荷物のみを積載し、車両基地間で輸送する。新潟県・東京都内の新幹線車両基地での積み下ろしにより、前回を上回る、上り約700箱、下り約100箱の計800箱程度の積み込みを予定している。

荷主として日本通運やヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、メディセオ、国分首都圏などもトライアルに協力する。JR東とJR東日本物流は今後も新幹線による多量輸送の事業化を目指し、継続的にトライアルを展開していきたい考え。

トライアル概要
 実 施 日 :2023年8月31日(木)
 輸送列車:上越新幹線 臨時列車(12両編成) ※一般座席販売は行わない
 輸送区間:①上り列車 新潟新幹線車両センター 9:31発 → 東京新幹線車両センター 11:56着
      ②下り列車 東京新幹線車両センター 16:32発 → 新潟駅 18:48着
 荷物搭載:①7~10号車(計4両) ②9~10号車(計2両)
 輸送商品:①鮮魚、青果、菓子、酒類、生花、精密機器部品等 約700箱 
      ②医療用医薬品、雑貨等 約100箱 
      ※一部商品は途中駅で積み込み等も行う予定
      ※搭載号車等は荷量により変更となる場合がある


輸送イメージ

トライアルでは、新幹線車両基地での荷さばきなどの実現や一連の業務の生産性向上に向け、以下の項目について実証することを計画している。

(1)新潟・東京の新幹線車両基地での荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)の検証
車両基地を使用することで、従来の駅ホームでの作業に比べ、スペースと時間を十分に確保できると期待。本トライアルでは下り方面への輸送も実施するに当たり、東京の新幹線車両基地内における新幹線への積み込みなどを行う。

(2)既存機材の使用による荷扱い業務の省力化検証
事業化に向けた荷扱い業務の生産性向上のため、車両基地内の既存機材(フォークリフトやターレットトラックなど)を活用することで、人手不足を考慮した省力化を図る。

(3)客室輸送専用シッパー等の試用による荷扱い業務における生産性向上の検証
生花など背が高い荷物を客室で輸送する際に対応が可能な新型シッパーといった用具を活用することで、荷扱い業務における生産性向上を目指す。

2023年度中に新幹線車両基地を活用した多量輸送のトライアルを引き続き予定しており、次年度以降の事業化に向けて取り組む。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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