メディセオ、兵庫・西宮で全国13カ所目の高機能物流センターが竣工

メディセオ、兵庫・西宮で全国13カ所目の高機能物流センターが竣工

全国カバーする流通ネットワーク完成、自動化に注力

メディパルホールディングスは9月1日、傘下のメディセオが兵庫県西宮市で開発してきた医療用医薬品や医療材料などを取り扱う高機能物流センター「阪神ALC」が竣工したと発表した。

メディセオは2009年、メーカーと医療機関などを円滑につなぎ、災害対策を施して有事でも機能する物流センターとして、神奈川ALC(横浜市戸塚区)を開設。その後、全国展開を進めており、13カ所目の「阪神ALC」開設で全国をカバーする流通ネットワークが完成した。

阪神ALCの投資額は土地や建物など計約267億円。今年10月の稼働開始を見込む。大阪、兵庫、京都の3府県をカバーする。出荷額は稼働当初に年間約2400億円を想定している。


阪神ALCの外観(プレスリリースより引用)

得意先に近い立地に3万SKU(最小管理単位)以上の商品を取り揃え、直接配送することで受注から納品までのリードタイムを短縮する。併せて、独自に確立している需要予測システムを駆使し、在庫を適正管理。過剰在庫や品切れが生じないよう1品目ごとの適正なコントロールを進め、定時・適量の納品を実現する計画。

従来の仕組みを見直し、独自のマテハン技術による第三世代のピックシステムを構築。正確性と効率性を追求した高生産性物流システム「AUPUSⅡ(Automatic Piece Picking Ultimate SystemⅡ)」を投入することで、世界最高水準の高機能物流を構築できると見込む。

さらに、阪神・淡路大震災や東日本大震災など多くの被災経験を生かし、災害時にも得意先への影響を最小限に抑えられるよう、免震構造を施すとともに、停電時の自家発電設備、緊急配送用バイク、自家給油設備などを配備。地震などの自然災害時にも事業を継続できる体制を整える。

大陽光発電による自然エネルギーの活用、LED化の推進、再生素材(間伐材や再生木材)の使用など環境に配慮した設計を採用している。雨水を利用した水資源の有効活用、紙ラベル廃止による廃棄物削減、EV(電気自動車)の導入なども計画している。

2018年12月に厚生労働省が発出した、医薬品の適正流通に関する指針「GDPガイドライン」に準拠し、温度管理、偽薬対策、衛生管理などの対応に注力する。SOP(標準作業手順書)も整備している。

「阪神ALC」の概要
所在地:兵庫県西宮市津門大塚町11-15
敷地面積:26,446.3㎡(8,000坪)
建築面積:14,766.39㎡(4,466坪)
延床面積:43,068.19㎡(13,028坪)
構造:鉄骨造(杭頭免震)、地上4階建
カバーエリア:
京都府(京都府全域)
大阪府(豊中市・池田市・高槻市・茨木市・箕面市)
兵庫県(神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・豊岡市・西脇市・宝塚市・川西市)

(藤原秀行)

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