ワタミとローソン、「2024年問題」対応で4月に配送トラックの共有開始へ

ワタミとローソン、「2024年問題」対応で4月に配送トラックの共有開始へ

非稼働時間に「宅食」商品搭載

ワタミとローソンは3月14日、物流効率化の一環として、商品配送トラックの「物流シェアリング」を4月6日に始めると発表した。

ローソン店舗への商品配送を担うトラックの非稼働時間を活用し、ワタミが運営する「ワタミの宅食」の商品を埼玉県東松山市の製造工場から首都圏(東京都・埼玉県)の営業所約20ヵ所へ配送する。

配送トラックのシェアリングを行うのは両社ともに今回が初めてという。「2024年問題」へ異業種がタッグを組んで対応することにした。


ワタミ手づくり厨房(東松山の製造工場)


ローソンの配送車両(イメージ)

「ワタミの宅食」は全国(北海道、青森、岩手、秋田、鳥取、沖縄除く)523カ所の営業所から、1日23万食(平日)を配送している。2024年問題への対応としてドライバーの労働時間を考慮した配送コースで対応していたが、土日祝日になると自炊や家族で食事をする機会が増えるなどの理由で、配送数が大きく減少するため1台当たりの積載効率が低く、配送網の効率化が課題だった。

ローソンは昨年12月から順次、2024年問題への対応やCO2排出量の削減、コスト抑制につなげるため、弁当・惣菜・デザートなどのチルド・定温商品の配送回数を1日3回から2回に切り替えており、一部の配送車に非稼働時間が生まれることから当該時間帯での有効活用を検討、協業先を探していた。

両社で配送する商品の温度帯やシェアリング可能な時間帯が合致したほか、双方の物流拠点が近いこともあり、思惑が一致。配送網維持に向け協業に踏み切った。2024年度中をめどに順次他のエリアへ拡大していきたい考え。

<協業内容>
・開始日および実施日:4月6日(土)から開始し、土曜・日曜・祝日に限定して実施
・対象地域:東京都、埼玉県の営業所約20ヵ所(同エリアで土日祝に稼働している営業所総数は約100ヵ所)
・配送時間帯:夜間から早朝にかけて
・対象となる商品数:約3,200食/1日平均

<今回のスキーム(イメージ図)>
「ワタミの宅食」の物量が減る土日祝に関して、埼玉県三芳町を物流拠点としているローソン車両で、東松山市の製造工場にて商品を積み込み、「ワタミの宅食」の対象となる営業所へ配送。

<配送エリアイメージ>
土日祝について、ワタミの配送網+ローソンの配送網を活用して、各営業所へ配送

(藤原秀行)※いずれも両社提供

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