直接輸入は2例目、航空会社への安定供給に寄与
成田国際空港株式会社(NAA)は9月19日、同空港で、伊藤忠商事が韓国から輸入した「民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(CORSIA)」に適合する燃料(CORSIA Eligible Fuel、CEF)を受け入れたと発表した。
CEFはICAO(国際民間航空機関)が掲げるCO2削減目標「2024年以降、19年比で排出量を85%以下に抑制」に対し、超過したCO2排出分を削減する場合に有効な環境負荷の低い航空燃料SAFの一種。
今後、新型コロナウイルス禍からの航空需要回復・増大とともに、航空会社におけるSAF利用は拡大していくことが見込まれる。
成田空港としても、伊藤忠がSAFを生産するフィンランドのNeste(ネステ)、韓国GSグループと米シェブロンが共同で韓国に設立した石油会社のGS Caltex(カルテックス)の2社と協業、構築したサプライチェーンにより、CEFを国内空港として初めて受け入れ、希望する航空会社に供給できる環境を整備した。
CEFのサプライチェーンは、海外の製油所から外航船で成田空港の給油施設(千葉港)に直接搬入している。今回の受け入れは航空燃料供給不足への対応として今年7月にジェット燃料を受け入れたのに続いて直接輸入の2例目。脱炭素化に加え、航空燃料の安定供給にも寄与できると見込む。
成田空港は2020年にSAFのを受け入れを開始した。
千葉港に着岸するCEF輸入船(伊藤忠商事提供、プレスリリースより引用)
(藤原秀行)