霞ヶ関キャピタル・杉本氏、全国展開の一環で将来構想説明
霞ヶ関キャピタルの杉本亮副社長は10月3日、東京都内で開催した2024年8月期連結決算の説明会で、冷凍・冷蔵倉庫開発を軸とした物流事業の現状と戦略について解説した。
「物流2024年問題」への対応の一環として、長距離輸送時の中継輸送拠点の開発に注力していく方針を表明。既に公表している静岡・袋井と名古屋の案件を着実に進めていく姿勢を示した。
また、今後全国に冷凍・冷蔵倉庫を展開していく中で、テナント企業向けに各地の倉庫を使い分けることで最適な料金に抑えられるようアドバイスする仕組みを構築していきたいとの考えを明らかにした。
杉本氏は、埼玉県三芳町で完成した、同社初となる冷凍自動倉庫を取り入れた賃貸物流施設「LOGI FLAG TECH(ロジフラッグテック)所沢Ⅰ」に関連し、自動倉庫を使ってパレット単位・1日単位で荷物を受け入れる冷凍保管サービス「COLD X NETWORK(コールドクロスネットワーク)」について、2025年1月ごろをめどに、本格的に提供を始めたいとの見通しを明かした。
中継輸送拠点としての冷凍・冷蔵倉庫については、トラックドライバー向けの休憩室やサウナといったリラクゼーション設備、飲食施設を併設することを検討していると説明。「まだアイデアベースだが、例えばスイッチング(中継)で使う場合には倉庫保管料を3日分無料で提供しますといった料金プランも考えていきたい。そうすることで施設の魅力も上がる」との構想を披露した。
冷凍・冷蔵倉庫の全国展開については、各倉庫の間に輸配送の定期便を運行させ、回転率の高い商品は都心に、保管期間の長い商品は地方にそれぞれ収納するなど、立地の特性に合わせた運用を検討していることに言及した。
その上で、各地の倉庫稼働率やトラック運賃などのデータを収集・分析し、「AIを使ったプログラムでどこにどう保管して、どこに移送すれば最適な料金になるかというプログラミングを作っていきたい。人力のアナログでやろうとすれば、最適な料金の提案はなかなか難しい。AIでうまくデータを活用することで、瞬時で最適解を導き出せると思う」と語った。
(藤原秀行)