自動車が通れば発電します、竹中工務店が振動生かせるユニット開発

自動車が通れば発電します、竹中工務店が振動生かせるユニット開発

国内で初めて沖縄の大型商業施設に導入、物流施設へ応用の可能性も

竹中工務店は6月20日、受変電設備メーカーのセイリツ工業(大阪市)、超磁歪技術製品を手掛ける湘南メタルテック(神奈川県寒川町)と共同で車両走行可能な振動発電ユニットを開発したと発表した。道路埋め込み型の超省電力LED照明と組み合わせた車両誘導システムを大型商業施設「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」(沖縄県浦添市)に導入した。同システムの開発・導入は国内で初めて。

重量のある自動車が走行する際に生じる振動エネルギーを発電機に直接伝達することで高い発電力を実現。今回は商業施設の屋内駐車場車路4カ所に配置し、一時停止線上に設定したLED照明と組み合わせてドライバーに一時停止を促す車両誘導システムとして活用する。今後は大型トラックなど車両が頻繁に出入りする物流施設への応用も検討されそうだ。

空調ダクトなどの微振動や歩行時、自動車・鉄道の走行に伴う縦揺れなどを対象とする従来技術と比べて高い出力が見込めることから、照明以外のさまざまな用途で利用が広がるとみている。

交通量の多い場所では連続発電や蓄電が行えるほか、単独設置型の特性を生かして送電網が未整備の環境下でも使用可能。インフラ整備に関わる省コスト・省人化・省エネルギーに寄与していきたい考え。


振動発電ユニットによる車両誘導システムの仕組み(竹中工務店プレスリリースより引用)

(鳥羽俊一)

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