「トランプ関税」影響残る、全体は4.1%増・デカルト調査
米調査機関デカルト・データマインが9月16日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、8月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比4.1%増の186万2590TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
プラスとなったのは2カ月連続。全世界ベースで見ても3.5%増の254万813TEUと2カ月続けて前年水準を上回った。
米国でトランプ大統領が中国などからの輸入品を対象に関税を引き上げる動きを強めており、世界の貿易に影響が出ているが、8月は全体として堅調を維持した。
ただ、10カ国・地域のうち、取扱量が全体の約5割を占めてトップの中国は5.5%減の99万4958TEUで、4カ月続けて減少した。減少幅は6月(24.1%)から7月(7.8%減)、8月にかけて縮小しているが、トランプ関税の影響が見られる。
2位のベトナムは前年同月比40.4%増の26万897TEUと大きく伸びた。3位の韓国は9.8%減の19万1073TEU、4位のインドは33.0%増の8万9596TEUなど、4カ国・地域が前年水準を割り込み、国・地域によってトランプ関税の影響の度合いが引き続き異なっていることをうかがわせた。
デカルトは「インド、タイ、スリランカ、マレーシア発が1~8月の累計で2桁増を続けていて、中国からのシフト傾向が確認できる」と指摘している。
世界発米国向けコンテナの8月実績を原産国ベースで見た場合でも、中国は前年同月比10.8%減った一方、ベトナムは25.2%増、インドも34.0%増となるなど、動きが分かれている。
品目別では上位10品目のうち6品目がプラス。家具類は4.9%増、プラスチックは15.1%増、機械類は3.4%増などとなった。
米国発アジア10カ国・地域向けの7月のコンテナ輸送量は、首位の中国向けは前年同月比42.3%減の6万8841TEU、2位のインドが23.7%増の6万6116TEU、全体では4.9%増の48万8639TEUだった。
(藤原秀行)