KDDIグループ、遠隔操縦者1人で複数拠点のドローン10機同時運航に成功

KDDIグループ、遠隔操縦者1人で複数拠点のドローン10機同時運航に成功

カメラ映像の監視のみに依存せず

KDDIとKDDIスマートドローンは5月21日、両社が連携して今年3月23日~4月27日の間、1人の遠隔操縦者が全国複数地域のドローンポート(専用離着陸場)から10機のドローンを同時に運航する実証に成功したと発表した。

ドローンのカメラ映像の監視のみに依存しない運航監視体制の有効性を確認したという。両社は複数の機体を同時運航させることで、運行の効率化とコスト抑制につながり、物流などへの導入を促進できると想定している。

実証はKDDIがNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託した「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」における「複数ユースケースにおける多数機同時運航の事業化に向けた統合的な研究開発」の一環として行った。

従来の多数機同時運航は、操縦者がドローンのカメラ映像を監視し続ける必要があり、安全性を維持するためには最大5台程度の同時運航が限界だった。

今回の実証は両社が北海道、千葉県、東京都、石川県の複数地域に常設しているドローンポート(Skydio Dock for X10)も活用し、東京の拠点から運航管理システム(UTM)を用いて、ドローンのテレメトリー情報(機体情報、バッテリー残量、位置・高度など)を一元管理した。

1人の操縦者が気象条件など運航環境の異なる複数拠点で、安全に10機のドローンを同時運航するための機体・システム・運用手順の要件を確認した。


1人の操縦者によるドローン10機同時運航のイメージ

両社は、AIドローンを全国1000拠点へ配備することで、全国どこでも10分以内にAIドローンが遠隔操縦で駆け付け可能となるドローンの社会基盤化を目指している。今回の実証で得た知見を活用し、ドローンの社会実装をさらに加速させていきたい考え。


テレメトリ―情報に基づいた監視画面

実証では10機同時運航中に、操縦者の介入を要する異常(バッテリー残量低下)を複数機体で同時に発生させた場合でも、操縦者がテレメトリー情報から速やかに異常を検知できることを確認した。

対象機体のカメラ映像も含めた機体の状況に基づいた優先順位を判断し、安全に全機を緊急着陸させる運用手順の有効性も確認できたという。

さらに、視線計測による比較検証および、NASA(米航空宇宙局)が開発した作業における「精神的・身体的な負担」を6つの項目で評価する主観的尺度「NASA-TLX(NASA Task Load Index)」を活用した調査により、UTMを用いたテレメトリー情報主軸の監視が、操縦者の集中力の持続や疲労軽減に有効であることも分かったという。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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