【現地取材】貿易関連業務の効率化目指す業界団体「日本貿易DX協会」が発足

【現地取材】貿易関連業務の効率化目指す業界団体「日本貿易DX協会」が発足

Shippio・佐藤氏が代表理事就任、データ標準化や政策提言など目指す

貿易関連業務の効率化を目指す新たな業界団体「日本貿易DX協会」は8月6日、東京都内のShippio本社で記者会見し、今年6月23日付で正式に発足したと発表するとともに、活動の狙いなどを説明した。

Shippioの佐藤孝徳代表取締役CEO(最高経営責任者)が代表理事を務め、当初は佐藤氏に加えてトレードワルツ、日新、トムソン・ロイター、一般財団法人日本貿易手続簡素化協会から理事を選出。財務、経済産業、国土交通の関連3省もオブザーバーを務めている。

貿易業務はいまだ電話やファクスが広く使われ、関係者間で情報の共有が容易ではないなど非効率が多く残っている。

Shippioなど多くの企業が貿易業務のデジタル化・効率化を支援するサービスを手掛けているが、個々の企業の努力だけでは状況の改善に限界があると判断。より多様な企業や団体が加わることで、貿易取引の円滑化に不可欠なデータ仕様の標準化を図るほか、各貿易業務支援サービス間でデータや手続きを円滑にやり取りできる在り方なども検討する。

協議会は荷主企業や物流事業者、港湾運営会社などに広く参加を働き掛けていく構えだ。

佐藤氏は会見で「貿易の現場は一般的に、非常に多くの関係者がいる一方、やり取りは紙やメール、エクセル、電話が非常に多く残っており、同じ情報を複数の企業が異なる様式で入力や確認、転記をしている。ベテラン担当者の知見や俗人的判断で支えられている部分が大きい」と指摘。国際物流や貿易手続きのDXを促進し、日本企業のグローバルサプライチェーンを強化して、日本経済の発展を後押ししていきたいとの思いを語った。

協議会として貿易DXに関し、各種サービス間の相互接続性への不安、事業間のデータ連携不足、政策提言や政府との連携の窓口不在という3点の問題を克服していきたいと意欲を見せた。

協議会の活動目標として、会員数を2026年度中に20社程度まで増やし、3年以内には70社程度まで広げていきたいとの思いを表明。26年度中をめどに、貿易データの標準化の具体的な定義もまとめたいと述べた。


会見する佐藤氏

理事は佐藤氏のほか、日本貿易手続簡易化協会の秋田潤専務理事、トレードワルツの河村謙取締役執行役員CFO(最高財務責任者)兼コーポレート本部長、日新の島田高幸執行役員通関部、物流LABO部、DX推進部担当兼営業推進部長、トムソン・ロイターの三浦健人社長が就いた。

協議会は今後、「標準化」「調査」「普及」「政策提言」の4種類の委員会を設置して活動を本格化させる。標準化委員会は貿易データ移送の標準化、システム間の相互接続ルールの整備などを担当。調査委員会はさまざまな貿易業務の実態に関する調査を担い、議論のベースとなるエビデンスを整備する。

普及委員会は標準仕様の普及や貿易DXの必要性の啓発などを手掛ける。政策提言委員会は関係省庁との連携や実現を目指す政策提言の取りまとめなどを行う。既に国交省などが進めている貿易DX促進の施策とも連携して活動を進める予定。


会見後の撮影に応じる(左から)トムソン・ロイターの森下馨プロダクト・マーケティング本部統括部長、日本貿易手続簡易化協会の秋田氏、Shippioの佐藤氏、トレードワルツの河村氏、日新の島田氏

(藤原秀行、石原達也)

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