従業員の安全向上と有事の事業復旧を両立
ROBO-HI(旧ZMP)は8月6日、最大積載量200tに対応した大型無人搬送車「RoboCar AGV 200T」をはじめとする超重量級AGVシリーズの受注・提供を本格的に開始すると発表した。
同社は従来の天井クレーンや吊り下げ式搬送機器に依存していた重工業現場で、搬送手段を地上走行型AGVへ転換することで、工場内の「落下・倒壊事故リスクの解消」や「大規模地震時におけるBCPの強化」を推進できると主張している。

過去の大規模震災では、激しい地震動によって天井クレーン自体がレールから跳ね上がって脱輪・落下、支柱や建屋の傾きに伴って走行レール幅が歪み、クレーン機器が倒壊・固着する甚大な被害事例が発生しているという。
ROBO-HIは、重工業現場における搬送の主役を「空中吊り下げ」から地上を自律走行する「台車型(AGV)」へ転換するソリューションを提案。クレーンそのものを排除し、床面で「下から載せて運ぶ」方式に移行することで、現場の安全構造と災害耐性を根本から改善したい考え。
高精度LiDARセンサー等による360度障害物検知システムの活用で、人や障害物を検知して自動で減速・非常停止するため、接触・挟まれ事故も未然に回避すると主張。
天井クレーンと異なり建屋や柱の歪み、レールの脱輪に影響を受けないため、発災後であっても床面の安全さえ確認できれば即座に搬送業務を再開できると見込んでいる。有事の際も製造ラインを止めない「強い工場づくり」に貢献すると想定している。
【天井クレーンと超重量級AGVの比較】
| 比較項目 | 天井クレーン(吊り下げ式) | 超重量級AGV(RoboCar AGV) |
|---|---|---|
| 搬送方式 | 吊り上げ・空中移動 | 地上走行・直接積載 |
| 主なリスク | ワイヤー切断・地震時のクレーン倒壊・脱輪落下 | 接触リスク(センサー等で抑制可能) ※落下リスク無 |
| 地震・BCP耐性 | 建屋変形によるレール幅狂いや脱輪・落下リスク高 | 建屋歪みに影響されず、床面安全確認後すぐに復旧可能 |
| 運用柔軟性 | クレーン設置軌道上に限定 | 自律走行によりレイアウト変更へ柔軟対応 |
同社は「搬送機器である以上、AGVにおいても走行時の接触等のリスクがゼロになるわけではないが、当社では、長距離LiDAR・多層障害物検知センサー・緩停止制御などの安全システムを活用し、吊り下げ式とは異なるアプローチで現場の多角的な安全確保に努める」と話している。
(藤原秀行)※ROBO-HI提供








