東京海上日動が国内初、工場や倉庫のAIロボット普及に備え機体損害などカバーする保険提供へ

東京海上日動が国内初、工場や倉庫のAIロボット普及に備え機体損害などカバーする保険提供へ

稼働停止時の事業継続も補償

東京海上日動火災保険は10月26日、AIロボットの機体損害や第三者への損害賠償責任に加え、稼働停止時の代替人材の人件費などを補償する「AIロボット保険」の提供を11月に始めると発表した。

企業が安心してAIロボットを導入・活用できる環境の整備を支援し、人手不足をはじめとする社会課題の解決に貢献していきたい考え。同種の損害保険は国内で初めてとみられる。

AIがロボットなどを自律的に制御する「フィジカルAI」の進展により、ロボットは、あらかじめ定義された動作を正確に繰り返す機械から、環境や状況を認識・判断し、自律的に行動するシステムへ発展しており、警備や清掃、物流、建設、介護、接客といった幅広い分野で活用拡大が見込まれている。

政府の「戦略17分野における『主要な製品・技術等』の官民投資ロードマップ」は、AIロボットの世界市場が2040年までに約60兆円規模へ拡大すると予想。同年までに世界市場の3割超のシェアを確保し、20兆円規模の市場の獲得を狙うとの目標を設定している。

一方、AIロボットは、人と同じ空間や屋外を含む多様な環境で自律的に稼働することから、転倒、落下、衝突などによる機体損害や第三者への損害賠償責任が生じる可能性が高まる。加えて、複数の機器や部品から成るため、事故時には修理費用が高額となる場合があるほか、AIロボットが担う業務の拡大に伴い、稼働停止が導入企業の事業継続に影響することも想定される。

同社はそうしたリスクを考慮し、企業が安心してAIロボットを導入・活用できる環境を整備するため、「AIロボット保険」の提供に踏み切る。

AIロボット保険は、フィジカルAIが実装され、多様な用途や環境に対応できる自律移動型ロボットが対象。機体損害や損害賠償責任に加え、稼働停止時の事業継続に必要な費用まで包括的に補償する。自律移動型ロボットには、車輪型ロボット、4足歩行ロボット、ヒューマノイドロボットなどを含む。

補償 補償内容
①機体補償 自然災害、衝突等の不測かつ突発的な事故によりAIロボットに生じた損害について、修理費用または交換費用を補償。
②賠償責任補償 AIロボットによる対人・対物事故により、導入企業が第三者に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償。
③事業継続費用補償 AIロボットに機体損害が生じた場合の、代替人材の人件費や代替ロボットのレンタル費用等、業務の継続に必要となる費用を補償。

直接であるか間接であるかを問わず、不正アクセスなどの「サイバーインシデント」に起因する損害は補償対象外。用途や稼働環境などを考慮し、引き受け条件と保険料は加入者のニーズに応じて個別に設定する。

(藤原秀行)

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