丸紅AM運用のファンド経由で70億円投資
第一生命保険は、丸紅アセットマネジメントが運用する不動産投資ファンドを通じ、埼玉県川越市の物流施設開発事業に投資している。第一生命が物流施設に投資するのは2件目。投資額は70億円で、現時点では2021年1月の完成を見込んでいる。
投資対象は「(仮称)中台南三丁目物流倉庫」で、延べ床面積は3万1617平方メートル、賃貸可能面積は3万558平方メートルを計画している。関越道の川越ICに近接しており、都心などへのアクセスに強みを持つ立地となっている。物流施設などの不動産開発の経験が豊富な丸紅グループと連携することで、競争力の高い物件を仕上げたい考えだ。
物流施設の完成イメージ(第一生命保険が今年8月発表のプレスリリースより引用)
第一生命は生命保険資金の運用先の一環として実施している不動産投資に関し、収益性向上やリスク回避のため、中核の大規模オフィスビルに加えて賃貸マンションや商業施設など有望なアセットへの分散を進めている。併せて、既存物件の取得に加えて都心部で再開発事業に参画するなど、不動産開発にも意欲を示している。
物流施設に関しても、不動産投資の基本方針に合致したアセットとして投資を検討。17年にオリックス不動産投資顧問が運用する不動産投資ファンドを介し、初めての案件となる千葉県市川市の「市川塩浜ロジスティクスセンター」に約68億円を投資すると発表した。今回も初案件と同じく、不動産投資の強みを持つ企業をパートナーとして連携し、首都圏の有望な物流施設を投資対象に選定した。
第一生命はeコマースの成長などを受け、先進的な機能を持つ物流施設は今後も一定の需要が見込まれると判断。川越の物流施設開発への投資で蓄積したノウハウを3件目以降に活用させていく構えだ。
(藤原秀行)