2月末から3月26日までの間に増加は11、過去最低ペース続く
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを図る「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が今年3月26日時点で大手メーカーや卸・小売業など計1199に達したことが、同運動事務局がこのほど更新したデータで分かった。
ロジビズ・オンラインが同運動事務局のウェブサイトに掲載されたデータから、賛同を表明した企業・組合・団体を独自に集計したところ、新たに大東建託や帝人子会社の帝人物流などが新規で名を連ねたことが判明した。帝人自体は既に宣言を出している。
ただ、2月末から約1カ月間で増えたのは11にとどまっており、伸びは2019年4月に同運動が本格的に始まって以来の最低ペースに落ち込んでいる。
最も多い運輸・郵便業は2月末の629から7増加して636となり、引き続き全体の過半数を占めている。製造業は357から358へ、卸・小売業も103から104へそれぞれ1増えたのみ。製造業はアルミ製品をオーダーメードで製造するエーディエフ、卸・小売業は三重を地盤に食品スーパーを展開しているぎゅーとらがそれぞれ新たに宣言した。
物流業界関係者の間では、着荷主となることが多い卸・小売業の積極的な参加が「ホワイト物流」推進運動を成功させる上で重要と期待する向きが多く、新型コロナウイルスの感染拡大下で経済環境が厳しい中でも推進運動の意義を卸・小売業界で周知、参加の機運を高めていくことが課題となっている。
2月末から3月26日の間にウェブサイトで新たに掲載された企業のうち、一部は宣言内容の最終更新日を記入していなかったり、3月とは異なる月日を記したりしており、各社がそろって3月26日までの1カ月間に宣言を出したかどうかは不明。
政府は19年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。運動への協力を表明したのは3月末時点で2割弱。
同運動の事務局は同一企業で異なる営業所が宣言を出していたり、同じグループ企業から複数の企業が宣言を出していたりしても、それぞれ1社ずつカウントしている場合があり、ロジビズ・オンラインは集計に際し同運動事務局の仕分けの基準に従った。
(藤原秀行)