ヘルスケア商品の共同配送に向けた提携の成果第1弾、今月から順次現場に導入
アルフレッサホールディングス(HD)とヤマトホールディングスは8月3日、傘下のアルフレッサとヤマト運輸が、ビッグデータとAIを活用し顧客ごとに配送業務量の予測と適正配車が可能なシステムを共同開発、現場への導入を開始したと発表した。
アルフレッサHDとヤマトHDは2020年7月、ヘルスケア商品の共同配送スキーム構築に向け業務提携を発表しており、具体的な成果の第1弾となる。走行距離の最大25%削減などの成果が見込まれるという。
ドライバー不足や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「非接触・非対面」の物流需要の拡大などに対応するのが狙い。地球温暖化対策が強く求められていることにも対応、配送経路の最適化にもつなげたい考え。
8月からアルフレッサが首都圏に展開している支店を対象に導入を開始。その後はアルフレッサの全国の支店へ順次拡大していく予定。両社グループは持続可能な医薬品流通ネットワークを構築するため、ヘルスケア商品の共同配送スキーム構築に向けた検討を引き続き進める方針だ。
※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
今回導入したシステムとスキームについて
配送業務量予測システム
アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客ごとの配送業務量(例:注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。
>配車計画システム
配送業務量予測システムで得られた情報を基に配車計画を自動的に作成。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成できる。また、配送の業務量が多い時には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することで、従来以上に安定した配送が可能。
パッケージ納品
医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品作業を行っているが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがある。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業時間の大幅な短縮が可能となる。
システムの導入効果(現在との比較。両社予想値)
配送生産性の向上(最大20%向上)
配送業務量予測システムと配車計画システムを導入・活用することで、従来以上に効率的な配送が可能となる。
走行距離およびCO2排出量の削減(最大25%削減)
配車計画システムを導入・活用することで、従来の固定化された配送ルートではなく、日々の業務量に応じた最適な配送コースを設定することが可能。これにより車両の走行距離を短縮しCO2排出量を削減することで、環境負荷を低減する。
医療機関における対面作業時間の削減(最大20%減)
従来の対面による検品作業から、デジタル機能を活用した事前検品も踏まえた「パッケージ納品」へシフトすることで、医療機関における対面での作業時間を大幅に削減することが可能。
展開スケジュール
8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店へ順次、拡大していく予定。また並行して本スキームのブラッシュアップを行い、業務提携の第2弾、第3弾を両社で推進。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)