ピッキング支援を想定、2030年ごろの実証目指す
ダイフクの寺井友章社長は5月28日、東京都内の東京本社で記者会見し、2026年(26年12月期)以降の経営方針などを説明した。
寺井社長は、30年の売上高1兆円達成に向け、26~29年に成長投資として約520億円を充て、基幹拠点の滋賀事業所(滋賀県日野町)の生産能力増強などを図る意向を表明。「先端技術には会社全体でスピード感を持って対応していく」との決意を示した。
また、工場や物流施設の自動化需要の高まりに対応するため、自律的に動くことが可能なフィジカルAI搭載のヒューマノイドロボット(人間型ロボット)を開発、ピッキング作業の省人化をサポートしていくことに強い意欲を見せた。

会見する寺井社長
寺井社長は、現行の中期経営計画で通常の設備投資や研究開発費とは別枠で設けている戦略投資枠800億円に言及し、520億円の投資もその一環と説明。
具体策として、マザー工場の滋賀工場で約300億円を投じ、新たに製造業・流通業の搬送自動化システムを取り扱う「イントラロジスティクス事業」の生産ラインを収めた「P棟」と、半導体生産ライン向けシステムを手掛ける「クリーンルーム事業」や自動車生産ライン向けシステムを担う「オートモーティブ事業」の生産ラインを収めた「O棟」の2棟を新築することを明らかにした。
並行して、愛知県小牧市の小牧事業所でも約100億円を充て、既存棟1棟を全面改修して電子機器事業とクリーンルーム事業の生産体制を強化する構想を示した。
加えて、既に開示済みの、自動車工場の搬送システムや塗装・表面処理設備を手掛けるドイツのEISENMANN(アイゼンマン)を7月に買収する件に関し、買収額は約120億円を見込んでいることを明かした。寺井社長は「ビジネス領域をドイツから欧州全体に広げていくことを予定している」と狙いを説明した。
生産スペースに関しては、現行の中計開始前の23年と比較して、滋賀と小牧の両事業所の生産スペースがイントラロジスティクス事業で約1.3倍、クリーンルーム事業は約2倍に拡張するとの見通しを示した。
ヒューマノイドロボットに関しては、今年3月に都内で開設した先端技術の研究開発拠点「東京Lab(ラボ)」を軸に、開発を進めていくと解説。3年後の2030年ごろに、実際に工場へヒューマノイドロボットを導入して実証を始めたいとの考えを述べた。
「フィジカルAIを目指さなければいけない。ヒューマノイドロボットを物流システムの中に入れることで人手不足を補完させることができる」と指摘した。
また、フィジカルAIを駆使してピッキングを自動化するほか、将来は空港内の手荷物搬送システムとヒューマノイドロボットを組み合わせ、手荷物を搭載したコンテナを航空機に積み込む部分なども含めて完全自動化を果たしていきたいとの思いを表明。「社会課題の解決にも少しずつ役立てられるようなシステムを推していきたい」と語った。
ヒューマノイドロボットに関しては、移動する脚の部分は人間のような二足歩行に必ずしもこだわらず、AGVに搭載して動くことなども想定していると解説。「開発についてはオープンに考えている」と述べ、ヒューマノイドロボットを制御するソフトウェアの部分は自社開発にこだわる一方、ハードウェアの部分は他社と連携する可能性もあるとの見方を示した。
(藤原秀行)











