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NTTと神明HDなど、物流効率化含む農産物流通DX化を共同推進へ

NTTと神明HDなど、物流効率化含む農産物流通DX化を共同推進へ

「デジタルツイン」技術生かし正確な需要予測で適正価格促進、24年度の商用化目指す

NTTと米卸最大手の神明ホールディングス(HD)、NTT西日本、NTTアグリテクノロジー、神明HD子会社で青果卸大手の東果大阪は11月5日、農産物の流通を共同でDX化すると発表した。

農作物の売り手と買い手が正確な需要予測を基に、適正な価格で取引できる環境を実現、売れ残った農作物の廃棄削減や物流の効率化も図る。まず青果物を対象に実証実験を2021年度中に大阪で始め、24年度をめどに商用化したい考え。

将来はNTTグループが構想している、独自の技術を使い、従来以上に高速かつ省電力で情報のやり取りができる通信基盤「IOWN(アイオン)」をベースにすることも想定している。

東京都内で同日記者会見した神明HDの藤尾益雄社長は「将来はこの枠組みを米で利用することを視野に入れている」との考えを表明。NTTの川添雄彦常務執行役員は「未来予測の処理に大量の電力を消費する問題も解決したい」とIOWNの早期実現・活用に意欲を見せた。


会見後の撮影に応じる(左から)東果大阪・森口俊彦常務取締役、神明HD・藤尾社長、NTT・川添常務執行役員、NTT西日本・木上秀則執行役員ビジネス営業本部バリューデザイン部長、NTTアグリテクノロジー・酒井大雅社長(NTTなど提供)


DX化の概要(NTTなど提供)

農産物は生産者と卸、小売業などの関係者間で情報共有が進んでいないため、流通面で需要に関係なく作り過ぎて価格が下落するなどの問題を抱えている。さらに、生産者らの間からはトラックドライバー不足や宅配の増加で安定した農作物の配送が持続できるかどうか懸念も出ている。NTTグループの通信技術を駆使し、業務のデジタル化で需要動向の正確な予測などを実現、非効率の解消を目指す。

インターネット上に生産者と小売事業者らがやり取りできる仮想の市場を構築。様々なデータを収集し、仮想空間で高精度かつ高速にリアルな空間を再現する技術「デジタルツイン」を使い、実際の卸売市場の取引動向や気象情報、新型コロナウイルスの感染下での消費動向の変化といった膨大なデータを基に、未来の市場動向を予測する。

その結果から農作物の売り手と買い手が、実際に必要となるタイミングより1週間程度早く、適正な価格で前もって取引することで合意できるようにする。値崩れや異常な高騰を防ぎ、生産者が適正な利潤を安定的に得られるとともに、消費者も最適な価格で購入できる環境を整備したい考え。必要な青果物の数量を早めに確定することで、トラックの積載率向上などを通じて物流を効率化し、ドライバー不足に対応できると見込む。

併せて、農産物のカットや包装などを担う加工工場を市場近辺に整備し、デジタルツイン技術を活用して事前に必要な労働力を正確に把握、効率的な人員配置を可能にする構想を立てている。

実験にはJA阿蘇などの生産者団体や小売事業者らも参加。22年度から東京などにも実証実験のエリアを広げる。NTTや神明HDは25年度以降の海外展開を視野に入れている。青果物のほか、米の流通をDX化することも念頭に置いている。

(藤原秀行)

概要資料はコチラから(NTTホームページ)

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