国際的な取り組みに参加、新サービス開発目指す
日新は1月11日、低消費電力のIoT機器とクラウドプラットフォームを活用し、日本~インドネシア間で物流容器の位置をリアルタイムで把握する実証実験に参加したと発表した。
日新は国際間のリターナブル容器の開発、運用、システム管理をパッケージとしたソリューション「HACO Lab.(ハコラボ)」を展開しており、物流容器を通じたグローバルサプライチェーンの可視化と物流コスト削減に取り組んでいる。
今回の実証実験は、親和パッケージが製造したリターナブル容器に、京セラコミュニケーションシステムが提供するIoT機器を組み込み、日本~インドネシア間を海上輸送で往復輸送させることで、新たな国際物流サービスの可能性を検証した。
本実証は、日本貿易振興機構(JETRO)が公募する「海外サプライチェーン多元化等支援事業」として採択された「国際物流・交通混雑緩和に資する位置情報サービス基盤構築実施可能性調査」の取り組みとして、京セラコミュニケーションシステムが主体となって実施した実証実験に加わった。
※以下、プレスリリースより引用
期間
2021年8月18日~11月19日
ルート
日本・千葉とインドネシア・ジャカルタ間の国際往復輸送
参加企業
■京セラコミュニケーションシステム(IoT機器、通信基地局設備、位置管理サービスの提供)
■親和パッケージ(リターナブル容器の製造、輸出者)
■PT親和インドネシア(輸入者)
■日新(物流手配) / 日新のインドネシア現地法人2社(※1)
概要
・親和パッケージが輸出者、PT親和インドネシアが輸入者となり、日本とインドネシアの拠点間の一貫輸送を実施。
・往路はリターナブル容器に輸送貨物を積載してFCL(20フィートコンテナ)で輸送し、復路は海上混載(LCL)で空容器を返送。
・KCCSが提供するSigfox通信ネットワーク(※2)でリターナブル容器の位置情報を捕捉し、IoT位置管理サービス「IoT Tracker」 に連携させることで、国際間でリターナブル容器の所在と移動履歴がシームレスで可視化できるか検証。
・「IoT Tracker」のジオフェンス機能(※3)を活用し、指定された各拠点の搬出入のイベント情報をタイムリーに把握できるかを確認。
・またIoT機器に付属するボタンを活用し、配達先でリターナブル容器が空となったことを関係者にメール通知。
今回、各国とも通信状況は概ね良好で、各拠点にIoT機器付き物流容器が到達したことはジオフェンス機能(※4)を使って確認できた。国際間の輸送で物流容器の移動を検知できたことは、機材の利用状況を正確に把握できるため、貨物の滞留や紛失など事故の発見が期待される。
物流容器の空き状態を通知するために行った検証(ボタン押によるイベント処理)では、通知イベントの受信を確認。今後、物流容器管理システムとの連携を行うことで、物流容器の空き情報を基に、効率的に活用することが可能であると考えられる。
将来的には位置情報に加え、輸送状態(温度・湿度、衝撃)を把握するセンサー機能を搭載することで、医薬品や精密機器など、厳格な輸送管理が必要な輸送貨物に対応する「スマートリターナブル容器」のサービス開発に取り組んでいく。
※1:フォワーディングを主要業務とする「インドネシア日新」と倉庫・国内輸送業務をメインとする「日新ジャヤインドネシア」の2社。
※2:仏国Sigfox社が提供するLow Power Wide Area-networkの通信ネットワーク。「省電力かつ長距離での無線通信が可能」という特長をもった通信技術であり、1か国1事業主であり、日本ではKCCSが電気通信事業者として展開している。
※3:「IoT Tracker」Sigfox対応IoT機器から送信される位置情報をMAP上に可視化し、アセットを管理するサービス。
※4:GPSの位置情報を利用して、仮想的な境界線で囲まれた任意のエリアを設定することで、機材が特定のエリアに出入りした時に、記録や通知を行う。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)