「ゼロエミッション」電気推進内航船のコンセプトモデル発表

「ゼロエミッション」電気推進内航船のコンセプトモデル発表

旭タンカーとエクセノヤマミズ、20年末めどに次世代船完成目指す

 内航海運大手の旭タンカー(東京)と傭船仲介などを手掛けるエクセノヤマミズ(同)は1月17日、基幹エネルギーシステムを完全に電化し、二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物(SOx)などを排出しない「ゼロエミッション」の次世代内航船を開発すると発表した。リチウムイオン電池を動力源とする電気推進タンカー「e5(イーファイブ)」(※「5」は「e」の右上に位置)のコンセプトモデルを作成した。


「e5」のコンセプトモデル(両社提供)※クリックで拡大

 船舶の燃料に含まれる硫黄分の規制が2020年に強化されるなど、環境意識の高まりに対応するのが狙い。両社は日本海事協会から技術的助言も受けながら、20年末をめどに第1号船の完成を目指す。

 「e5」のコンセプトモデルは全長60メートル、全幅10・3メートル。総トン数は499トン、積載容量は約1300立方メートルを想定している。

 騒音や振動を抑え、自動化設備も積極的に導入して乗組員が働きやすい環境整備に貢献するとともに、IoT(モノのインターネット)などを駆使して運航データをデジタル化。運行効率を高めることを想定している。内航海運の船員不足・高齢化にも対応していきたい考えだ。

(藤原秀行)

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