損保ジャパン、テレマティクス連携型安全運転管理支援ウェブサービスを開始へ

損保ジャパン、テレマティクス連携型安全運転管理支援ウェブサービスを開始へ

個々のドライバー特性に合わせた教育コンテンツ提供可能

損害保険ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは12月16日、車載端末を使って走行の情報を収集するテレマティクス対応のデジタルタコグラフを利用して事故防止に取り組む事業者向けに、テレマティクス連携型安全運転管理支援ウェブサービス「テレマコーチング」の提供を2023年1月に開始すると発表した。

先行して、12月からトランストロンの通信型デジタコ「DTSシリーズ」のユーザーを対象に募集を開始した。

「テレマコーチング」は、日頃使っているテレマティクスサービスでドライバーの日々の運転を解析し、個々の運転特性に合わせた教育コンテンツを提供する。安全運転教育の充実を図りたい事業者をサポートするのが狙い。連携可能なテレマティクスサービスは今後拡大していく予定。

タコグラフは車両総重量が7t以上または最大積載量が4t以上の普通自動車の全事業自動車に装着が義務付けられている。IoT技術の普及に伴い、通信型デジタコ/ドライブレコーダー活用型テレマティクスサービスを利用した運行・動態・安全運転管理業務が、運輸・旅客の現場に浸透しつつある。

一方で利用する企業の管理者が扱うデータ量やデータ分析の負担が増しているため、安全運転管理への活用の難しさが課題となっている。

さらに、人口減少、少子高齢化問題を背景にドライバー不足の問題が顕在化して以降、若年・女性ドライバーなどを含む多様な人材の活用や離職防止などの課題を、交通安全対策と併せて考えていく必要がある。

トラックドライバーの長時間労働に関する規制が強化される「2024年問題」は、長時間労働是正の課題に対し効果が期待される一方、ドライバーの稼働時間が短くなることから、管理者とドライバーが安全運転について対話する時間も見出しにくくなることが予想される。

そうした状況を考慮し、効率的で実効性のある安全運転管理のために、運送事業者が持つ各ドライバーの走行データ解析支援に関するニーズが高まっているものと考え、「テレマコーチング」の提供を開始することにした。


ドライバー向けコンテンツ画面イメージ

トランストロンの「DTSシリーズ」で記録したデータを受信し、その解析結果からシンプルなウェブコンテンツを自動作成。当事者のドライバー本人と運行管理者のみが閲覧できる。

サービス対象ドライバーによる1日の運行の中、通信型デジタコが急ブレーキなどの「ヒヤリハット」事象を検知した場合、その中から程度の大きいものを1件取り上げ、コンテンツをデータ取得後速やかにドライバー本人用のウェブページに掲載する。

コンテンツに含まれるヒヤリハット事象発生時の映像や、センサーデータなどを可視化した地図・グラフが、データに基づく安全運転指導をサポート。さらに、教育コンテンツとして交通心理、人間工学、時事などの交通安全関連トピックを、図表を交えて添付し、ドライバーの安全意識の向上を図る。

このほか、前日の運行に対しヒヤリハット事象が少なく、より丁寧な運転傾向だった場合はレポートするなど、ドライバーの安全運転への努力を可視化し、ドライバー自身が持っている事故防止実現の「答え」を引き出しやすくする。

費用はドライバー1人当たり月額1000円(税別・導入手数料別)。

「テレマコーチング」はAPIで走行データ授受が可能なテレマティクスサービスと連携できるよう設計している。今後、損保ジャパンとSOMPOリスクは連携するテレマティクスサービスを追加することでサービスユーザーを拡大するとともに、サービスで得られた事故防止ノウハウを活用した新たなサービスの提供を目指す。

(藤原秀行)※写真は損害保険ジャパンとSOMPOリスクマネジメント提供

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