熱海の老舗温泉・古屋旅館が「カミナシ」で源泉掛け流し温泉の温度管理をデジタル化、機器の予兆保全へ

熱海の老舗温泉・古屋旅館が「カミナシ」で源泉掛け流し温泉の温度管理をデジタル化、機器の予兆保全へ

客室清掃やナイトフロント業務にも展開

工場や店舗などの現場作業効率化とペーパーレス化をノーコードで実現できるソフトウエア「カミナシ」を手掛けるカミナシは1月17日、合資会社古屋旅館(静岡県熱海市)がカミナシを導入したと発表した。

温泉の温度管理業務に投入する。カミナシとしては同業務で初めての導入事例になる。


(カミナシ提供)

古屋旅館は、熱海市街中心部に位置する、創業1806年の熱海で最も歴史ある老舗温泉旅館。お風呂には江戸時代から湧き出ている熱海七湯の一つ「清左衛門の湯」を使用し、100%源泉掛け流し温泉として多くの宿泊客を集めている。

同社は温泉旅館の要となる温泉の温度管理をはじめとした管理業務の可視化やスタッフの教育体制が課題となっており、その解決のために「カミナシ」の導入を決めた。

古屋旅館が擁する100%源泉掛け流し温泉は、2〜3時間ごとの温度記録や湯量の調節により、天然の熱だけで常に浴槽内を41〜42℃に維持する必要がある。これまでは温度記録を紙帳票を用いて行っていたため、温度変化の傾向を把握するまでに手間を要していた。そのため、温泉の温度感知器や湯量を調節する調整弁といった設備機器の劣化やトラブルにも気付きにくく、故障などで温泉が使用できなくなるリスクを抱えていた。

それぞれの運用を「カミナシ」に変更し、スケジュール管理された確実な温度記録のほか、データの蓄積により正確な温泉管理が実現。即座にデータ化されることで、年間を通じた推移や季節、気候による変動などを把握できるようになり、設備機器の予兆保全にも役立てられるようになったという。

同社は温度管理のデジタル化を手始めに、現在は客室清掃のチェックにも活用範囲を拡大。今後は、調理場のHACCP()対応やナイトフロント業務にも展開し、管理業務の可視化に着手する予定。指導や教育を担当する管理者側の手間やコストを削減し、さらなる業務効率化を目指す。

(藤原秀行)

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