世界主要航路のスケジュール順守率、22年12月は3カ月続けて50%台維持

世界主要航路のスケジュール順守率、22年12月は3カ月続けて50%台維持

シー・インテリジェンス調査、コロナ禍で発生の港湾混雑緩和

欧州の海事調査会社シー・インテリジェンスが2月1日公表した2022年12月の海上コンテナ輸送状況の調査結果によると、世界主要34航路のスケジュール順守率は12月が56.6%で、前月から0.1ポイントと小幅ながら改善した。

前月より順守率が上がったのは3カ月連続。22年10月、約2年ぶりに50%台を回復しており、20年後半の水準まで持ち直してきた。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的感染拡大)の影響で北米や欧州などの港湾が混雑し、スケジュール順守率は長らく低迷してきたが、混在の緩和が進み、海上コンテナ輸送が正常化に向かっていることを裏付けた。


順守率の推移

順守率はコロナ禍前まで60~80%台で推移。しかし、コロナ禍が深刻だった20年後半以降、急速に悪化し、21年はほぼ年間を通して30%台に低迷していた。

海運業界からは、最近は世界的な景気減速懸念もあって国際貨物の動きが鈍化しているとの声が出ており、順守率改善はそうした状況を反映している可能性もある。

主要船社14社別では、全社が順守率40%を超え、50%を上回ったのは12社。40%超えが2社しかなかった前年同期から大幅に改善した。トップのMSCは63.3%、2位のマースクも60.1%に達した。


主要船社別の順守率

12月の平均遅延日数は0.34日延びて5.43日だった。コロナ禍前は3~4日台だったが、コロナ禍の21年後半は7日台が常態化。22年は1月が8日台と過去最悪の水準に達したが、その後はおおむね改善基調が続いている。


平均遅延日数(いずれもシー・インテリジェンス資料より引用)

(藤原秀行)

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