ESR、埼玉・加須で2件目の物流施設竣工

ESR、埼玉・加須で2件目の物流施設竣工

10.5万㎡、首都圏・東北地方への広域配送拠点として活用見込む

ESRは6月16日、埼玉県加須市で延床面積10万5414㎡、地上4階建てのマルチテナント型物流施設「ESR加須ディストリビューションセンター(DC)2」が5月31日に竣工したと発表した。

3~4階は賃貸面積合計1万4367坪、最小賃貸区画は約1500坪で最大6テナントが入居可能。

ESRとして全国で31件目、埼玉県内で6件目、加須市内では6㎞離れた「レッドウッド加須ディストリビューションセンター」(2017年1月竣工)に次いで2件目のプロジェクト。

「加須DC2」の1~2階は大手物流企業1社と契約済みで、竣工辞典の稼働率は51%に達している。3~4階の入居企業を引き続き募集している。


「加須DC2」外観

「加須DC2」は東北自動車道の加須ICから約6.2km、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と連結する久喜白岡JCTから約13km、東京都心まで車で60分と、首都圏各地へのアクセスが良好で、首都圏全域をはじめ東北地方までをカバーする広域配送拠点として利便性の高い立地。

東武鉄道伊勢崎線の加須駅まで5.6km。加須市や周辺都市の労働人口も多く、職住近接の労働環境が整っているため、入居企業の労働力確保にも強みを持つ。

3階へ一方通行のスロープで直接アクセスでき、1階は両面バース、3階は中央車路式で合計108台のトラックバースを設置。敷地内にトラック待機場を23台分確保し、安全性に配慮した効率的な入出庫オペレーションを実現できると見込む。

倉庫は1~2階、3~4階のメゾネット仕様で、梁下有効高は1・2階は6.5m、3階は5.5m、4階は6.0~7.4mをそれぞれ持たせている。床荷重は1・2階は2.0t/㎡、3・4階は1.5t/㎡を確保、パレット専用の垂直搬送機を採用している。

メーカー物流の需要を見込み、1~2階は最大3.0t(リーチ式)、3~4階は最大2.5t(リーチ式)のフォークリフトが利用可能。柱ピッチは間口11m×奥行10.5mとし、区画を区切る開口部は可能な限りシャッターを配置。倉庫内動線の自由度を高め、オペレーションの効率化を十分考慮した。

敷地内のスロープ下に施設専用のごみ置き場と高所作業車置き場も設けた。


1階倉庫は両面バース


3階は中央車路式


(上)3階倉庫 (下)4階倉庫 倉庫内は可能な限り開口部を設け、4階は柱本数も少なくより使い勝手の良い空間

施設で働く人を重視するとの独自のコンセプト「HUMAN CENTRIC DESIGN.」を踏襲。車両とワーカーの動線を分離し、建物エントランス・事務所・共用部を3カ所に分散し配置。従業員が車路を通らずに業務エリアから近い場所で休憩できるよう休憩ラウンジも4階に3カ所配置した。

3カ所の建物エントランスにはスロープを設置し、館内にもバリアフリー設備を備え、車いすユーザーや障害がある人にも配慮。トラックドライバーの長時間労働規制が強化されるのに伴って物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」を見据え、1階にドライバー専用の休憩室、専用のトイレも完備した。

普通乗用車駐車場を計271台(内、優先駐車スペース3台)、バイク駐車場36台、駐輪場30台分を用意している。


Core1~Core3の3カ所にエントランスを設置


エントランスホール


喫煙室


ラウンジは4階に3カ所設置、各ラウンジにはこいのぼりの生産数が日本一を誇り、老舗部道具企業がある加須市をオマージュした壁面アートを採用

全館LED照明、トイレ・喫煙室の人感センサー付照明など環境配慮型照明システムを取り入れ、外壁には断熱性の高いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調・節水器具・外構部の自動潅水装置といった省エネルギーの設備機器をそれぞれ導入。環境負荷低減に配慮した建築計画により CASBEE Aランク、BELSは最高レベルの5スターの評価を取得済み。

しています。

※2 CASBEE(キャスビー):国⼟交通省が主導する(財)建築環境・省エネルギー機構内に設置の委員会が開発・運⽤する、建築環境総合性評価システム
3 BELS(ベルス):(一社)住宅性能評価・表示協会が運用する建築物の省エネ性能について 5 段階で評価・認定する制度

建物屋上には太陽光パネルを設置し、自家消費型太陽光発電所を稼働させる計画で、同時にJQA(日本品質保証機構)によるグリーン電力発電設備認定取得を目指しており、将来はESR独自のグリーン電力証書発行システムを通じ、環境付加価値を取引する予定。

BCP対策として、非常用自家発電機を備え、停電時でも防災センター機能、荷物用エレベーターの一部、トイレなどが実負荷で最大31時間使用可能な保安用電源を確保。

セキュリティ体制については、24時間365 日の有人管理で、非接触型カードリーダーに加え、顔認証セキュリティシステムの導入、Web上で24時間現地の状況が遠隔から確認できるクラウドカメラを外構・中央車路・エントランスやラウンジなど共用部へ設置することも計画しており、さらなるセキュリティ強化を図る。

清掃業務においてもより良いサービスを提供するためにDX推進を図っており、その一環として共用部の清掃にロボット掃除機を投入する。

<ESR 加須ディストリビューションセンター2 施設概要>

■所在地:埼玉県加須市下樋遣川字拾壱〆6000 番 4
■敷地面積: 49,587 ㎡(15,000 坪)
■延床面積: 105,414 ㎡(31,888 坪)
■構造:地上 4 階建・RC 造+S 造(ハイブリット構造)・耐震構造
■用途地域:市街化調整区域
■設計:株式会社上野山都市設計
■施工:東急建設株式会社
■工期:2022 年 3 月 1 日~2023 年 5 月 31 日
■総投資額:約 210 億円
■アクセス:【車】東北自動車道「加須 IC」より約 6.2km/同・圏央道「久喜白岡 JCT」より約 13km
【電車】東武鉄道伊勢崎線「加須駅」まで 5.6km

(藤原秀行)※いずれもESR提供

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