中外製薬とオムロン、ロボット活用した創薬研究自動化システムの実証実験開始

中外製薬とオムロン、ロボット活用した創薬研究自動化システムの実証実験開始

夜間でも対応可能、人間はより創造的な活動に時間活用へ

中外製薬とオムロン、新技術開発を手掛けるオムロン サイニックエックス(OSX)は7月14日、創薬研究の生産性向上、実験データの品質向上、新たな実験活動を実現する研究工程の自動化に関し、既存システムより自由度、汎用性、人との共存性の高い柔軟なラボオートメーションシステムの実現に向けた実証実験を中外製薬の新研究所「中外ライフサイエンスパーク横浜」(横浜市)で開始すると発表した。

3社がこれまで進めてきた共同研究では、中外製薬とオムロン両者の実現したい未来像への共感とお互いの強みを基本にして、創薬研究で研究員がより創造的な実験が行えるように、人との共存性の高い柔軟なラボオートメーションシステムの実現に取り組んできた。

既存システムは取り扱いが困難だった、人が実験室で使う多種多様な器具や装置に対し、オムロンが目指す「人が活きるオートメーション」の実現に向けた「センシング&コントロール+Think」技術を生かし、中外製薬の創薬研究に最適化した実験自動化システムの構築に向け、複雑な操作を伴う実験の自動化と柔軟で人の代わりに創薬研究を継続できるロボットシステムの共同研究開発を手掛けてきた。

今回の実証実験では、ロボットシステムを中外ライフサイエンスパーク横浜に導入し、モバイルロボットによる実験サンプルの搬送作業や機器操作、双腕ロボットによる様々な実験ツールを用いた操作など、創薬実験の基本動作の構築と検証を図る。ラボオートメーションシステムにより、人がいない夜間などでも創薬研究の実験を継続、人はより創造的な活動に時間を使うことが可能になると見込む。

中外製薬は、本実証実験を通じて、創薬研究を担う新たな研究所でAIを活用した創薬やロボティクス技術を組み入れたオートメーション化に取り組み、研究の生産性と質の飛躍的向上を目指す。オムロンとOSXは本共同研究で実現した技術を、オムロンが注力する各ドメインにおける「人が活きるオートメーション」による社会的課題の解決を加速させていきたい考え。

(藤原秀行)

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